□月 ●日  No994 田植えシーズン


田植えシーズンに伴い幻想郷中に飛行禁止区域が定められる。
この上での弾幕ごっこや関係者以外の低空飛行は全て禁止となる。
幻想郷の住民は妖精に至るまでこのルールを守るのである。
空を飛ばない私にとってはあまり関係のない話だが
普段は空を飛んでる妖怪たちが地上を歩くのはいつ見ても変わったな光景だと思う。


と言っても普段から空を飛ぶのに慣れた妖怪たちにとって地上を歩き続けるのは結構大変らしい、
中には地上すれすれを飛んであたかも歩いている用に見せている妖怪もいるくらいだ。
妖怪の中には普段は地上をきちんと歩いている者もいるが、一度空を飛ぶ便利さを知ると
なかなか元に戻れないものらしい。


飛行禁止区域が増えると途端に混み出すのが、紅魔館近辺の湖である。
普段は氷妖精が出現し、美鈴女史が巡回する土地であるが、この時期では普段の倍の妖怪が出現
弾幕ごっこに勤しんでいる。
ここに博麗の巫女あたりが乱入すると酷いカオス空間となる。


この日、暇を持てあました妖怪たちが多数湖へとやってきたが、弾幕ごっこどころじゃなかったと
ぼやいていた。 弾幕ごっことなれば直径100メートル前後が戦場となるからである、
こんなに占有されてはあっという間にスペースが飽和してしまう。
水面を移動するのも大変だ。ちょっと移動するとすぐに弾幕ごっこに巻き込まれてしまう。


お陰で紅魔館に荷物を運ぶのが難しくなってしまった。 沢山の荷物を運ぶには水運が必要なのに
あっちこっちで弾幕ごっこが始まってとても移動できなくなったからだ。
結局、美鈴女史とメイド長が湖に狩出されて上空の掃除が始まった。
ひとしきり大暴れして、結局荷物は美鈴女史が抱えて運んでしまった。


御礼を言ったらヴァンパイアの主人の御機嫌の方が大切だと言われて苦笑した。
これでしばらくは大丈夫だと思う。
数日も経てば普通に弾幕ごっこも出来るはずなのでそれまでの辛抱である。