毎度の事ながら、戻り在庫などが貯まってきたのでアウトレット販売をすることになった。
帳簿上では処理が完了しているため、現状で在庫は宙に浮いている状態である。
よって値段は自由に付けられるという寸法だ。
そこでアウトレット商品を一点に集めて適当な場所で青空市なるものを催してみた。
会場をどこにするのだと打診したら何故か手を挙げたのは命蓮寺である。
まあ、確かに顕界でも茶碗市などをやっていることを鑑みればさもありなんといったところか。
それにしても以前と違いアウトレットで目の色を変える人妖が結構増えたような気がする。
自称現人神一味は大体分かるとしてもかなり多い。
今回の企画も雲居一輪嬢の猛プッシュで実現したらしい。
小傘嬢もアウトレットで目の色かえた妖怪の一人だ。 そういう記憶があるのか知らないが
あまりの買い物狂ぶりに周囲が驚いている。
本人は身体が軽いと言っているから世話がない。
ナズ軍曹がダウジングをしながら掘り出し物を探しているのだが、見つける間のタイムラグで
結局他の人に取られてしまうのか、すこし寂しそうな表情をしている。
バーゲンセールでは迅速な行動が求められるのだ。
ネット転載天狗もアウトレットの意味をきちんと理解している妖怪の一人だ。
鴉天狗たちを出し抜いたと言って喜んでいるが取材する前に買い物をしていたら
たぶん出し抜かれると思う。早く写真を撮らないと駄目だろう。
ちなみに場内弾幕ごっこ禁止である。契約で動く妖怪はこれだけで弾幕ごっこを控えてくれる。
人数が集まっているのを見た妖精達がアウトレットに近づいているのだが
風見女史の肘がクリーンヒットして倒れていた。 あれは痛い。
さて。そんな中今回のMVPはやはりぶつぶつと呟きながら商品を選んでいる明羅女史である。
しかも男物の衣服を選んでおり一体何をしようとしてるのかなんとなく見当が付いて恐ろしい。
このサイズはありませんかって言われるのも嫌なのでそ河童に頼み込んで光学迷彩服で
姿を隠すことにした。 お陰で別の人が彼女の応対をすることになったのだが
一時間くらい掛かっていたようだ。 応対していた人は舞い上がっていたので問題有るまい。