□月 ●日  No1739 まあ暑いんだけどね


季節もあって最近蒸し暑くなってきた。
といっても妖怪たちの服装はあまり変らないのが幻想郷である。
こんな暑い日には上着ぐらい脱がないといけないと思うのだが、彼女たちにとっては
薄着が出来ない理由もある。


まず根本的に放射熱は地面に近寄れば近いほど高い。上空まで飛ぶと実は
温度はそれほどでもなくなる。それどころかむしろ寒いらしい。
また、雨の問題も頭が痛い。 雨でずぶ濡れ状態で空を飛んだら一気に体温を
奪われて低体温症になる。 妖怪ですら最悪の場合墜落するのだという。


河童たちが天気予報システムを作ったのは、こうしたときに妖怪たちの
身の安全を守るためであるとも聞いている。
丁度薄着でバイクに乗っているときのような感じというべきなのだろう。
確かにこれでは風邪を引く。


紅魔館で欠伸をしている美鈴女史とそういう話しをした。
美鈴女史は超低速低高度飛行を心がければ大丈夫だという。
歩行するかどうかのギリギリ境で移動すれば寒さの問題は解決すると言っていた。
不便かもしれないが合理的だ。


それよりも何より凄いのは、若干浮きながら昼寝することだ。
紅魔館には魔術研究に関する材料が数多くあってノーレッジ女史の書物もいろいろあることから
そうしたオリジナルの便利術がいろいろ開発されているらしい。
浮きながら昼寝することは地面がぬかるむ幻想郷では必須技術のようだ。
たしかに寝ている間に雨が降れば屋根があって地面がぬかるみ確実にずぶ濡れだ。


昼寝のための様々な魔法を紹介して貰ったが、はっきり言ってそれらの魔法を
売れば相当のお金になると思うのだがどうだろう。
本人は自分がサボっているように見えるからそれは勘弁して欲しいと言っていた。
勿体ない話しだと思う。