□月 ●日  No1232 寅さん再び


再建された命蓮寺。
入り口に注連飾りがあるが決してフェムトファイバーではない。
百足を摸したもので、人々の団結の大切さを象徴するモノとされている。
今回の話にはあまり関係はない。


金にモノを言わせ急ピッチで建築されたこの建造物だが
約一名この建造物にどうしても慣れない人がいた。
貧乏性で名が知れているあの寅さんである。
命蓮寺が再建されて広い部屋が宛がわれたのに、わざわざ屏風を使って
4畳半サイズに仕切ってそこで生活している。


ムラサ船長に案内されて寅さんのところに今年の干支ということもあり
新年の挨拶をしたら、落ち着かないと言って涙目になっていた。
金運を呼ぶという毘沙門天。金が貯まると評判であるがそれもそのはず
出費そのものも減らしてしまう傾向があるからと言われる。
それでは貯まるのも当たり前というものだ。


毘沙門天の教義により、基本お酒も飲まない。
鬼娘の話では実は下戸という話である。よって酒に関する出費もない。
やれオンバシラがどうとかやれ、食べ物がどうとかやっている某神様とは
違うというわけだ。 


空いたスペースは仕方がないので、鵺が個人の部屋に使っている。
完全に幻想入りしていない妖怪のためか、外の世界の衣服が多くある。
その事実がなおのこと哀愁を誘う。


もっとも今年の干支だけあって信仰は確実に集まっていることもあり
決して心細い状況でもないのが救いなのかもしれない。
朝倉は彼女なりの余裕だと言うのだが、せめて福を呼ぶ存在として
もっとアピールしても良いと思うのだがどうだろうか。


寅さんも最近は露出が増えて人気も増えているようだが
ここで注意していただきたい。毘沙門天の教えでは不純異性交遊禁止だと言うことを。
その辺のことをきちんと理解した上で寅さんと接するべきである。