□月 ●日  No1406 これが本当の電脳だ


河城河童が変な機械に接続されたキーボードをひたすら叩いている。
どうみてもランダムに文字を打ってるようにしか見えないのだが一応データを入れているのだという。
実はこの変な機械が幻想郷のコンピューターらしい。
どうみても伊達にしか見えないランプ類と、データを保存しているようには見えないカセットテープ
中には中間管理職狐級の式神が入っている。


そのインターフェースはとてもデタラメだ。
データを打ち込み計算して出現する集合体たるデータを人間が分析するのではなく
対話型システムで、質問をすると勝手に色々推論して結果を返す。
まるでSF映画のような代物だが、推論範囲次第ではこちらの意図した結果が帰ってこないし、
端的な返答は得意だが、細かな結果を求めようとすると時間が掛かったりする。
コンピューターの癖にとてもアバウトだ。


考えてみれば中間管理職狐の仕様がまさにそんな感じだ。
そう言う意味で、中間管理職狐は顕界より進んだコンピューターと言えなくもないが
あまりにアバウトになりすぎ人間に近づいてしまったように見える。
道具として使うには忍びない存在になってしまっているのである。


良くコンピューターの推論を超えたという話をすることがあるが
コンピューターが推論をはじき出すことは殆どない。あくまであり得る数字かどうかは人間が判断する筈だ。
それをコンピューター即ち式神が行うと考えるととても優秀なシステムと言えなくはないだろうか。


しかしこの図体は問題だ。 とにかくこのコンピューターはでかい。
熱は発しないからまだマシだが、まるで電気湯沸かし器のタンクのような大きさだ。
たまにわけのわからない電撃を発しているし、よく見ると変な突起物から火花が飛び散っている。


何か質問してくれと言われたので、私の恋愛運を聞いてみたら
何故か無言で返してきた。 畜生。
何か困ることでもあるのか?