●月 ◎日 No187 なにがいいたいのか?


薬屋から、詐欺師兎とブレザー兎に関して警告を受ける。
うちの会社のミスではなく、発情兎の対策についてである。
普段は薬屋が用意している専用の薬品で発情状態を抑えているのだが在庫切れを起こしたらしい。
色々と間違いが起こるといけないので、臨時列車を走らせることになった。


ブレザー兎が人を避ける理由のひとつが発情問題である。 もともと繁殖能力が極端に高い兎の特性である。
ところかまわず発情しては人間に襲い掛かるわけだが、相手を衰弱させた挙句最悪捕食されてしまうとあって
本人自身もそのことを偉く気にしているのだ。
対処方法は単純である。 誘惑に耐える.これだけだ。
私の場合自分の視覚野に細工を施して、月兎たちを見るときに赤外線映像で見るなど直接見ないように工夫する。
これはボスが私に教えてくれた対処方法で非常に効果が高い。


しかし、なぜボスはブレザー兎の対処方法をここまで知っているのかわからない。
ボスは教えてくれないので事情をわかっていそうな上白沢に聞いてみると、
ブレザー兎はボスにとっても隙間妖怪にとっても"適宜利用可能な駒"であると言った。
どうやら、薬屋がボスを毛嫌いするのはこの辺にあるようである。


納品途中に詐欺師兎に出くわした。
私に薬屋は本当はボスに感謝もしていると告げてほしいと言ってまたどこかに去ってしまった。
狐につままれた気分で帰路についた。