○月 □日  No201 八雲商事の人事


普段は幻想郷への輸送業務が主だったが最近は総務的な仕事も入ってくるようになった。
今日は興信所の人間と会う。 どこの会社でもそうだが中途採用の場合その人物が何故前の会社を辞めたのかなどを
確認するために興信所を使うことが多い。
たとえばノンバンクからお金を借りている場合、債権譲渡などによってわが社に直接請求が来るケースも
珍しいことではない。 こうした事件は毎年一件くらいは起こる。
ギャンブルで身を滅ぼすもの、女問題がこじれたものさまざまだ。
夕方以降になると興信所の鴉天狗と会う。 
うちの会社では妖怪の従業員もいるので使い分けているわけだ。
調査結果はかなり正確である。 ガセネタばかりの鴉天狗もいるらしいがそれは概ね幻想郷にいる鴉天狗らしい。
今回は結界の外の妖怪たちの調査結果だが、結界内の妖怪については幻想郷へ出張途中にレポートを受け取ってくる。
レポートはペーパーメディアでは博麗大結界を突破できないので、一度デジタイズしてから発送することになっている。


これらの情報と、朝倉の書類審査により大体の人材は絞り込むことができる。
もっともブラックの人物でも幻視により、更生が認められた人物については雇い入れるようにもなっている。
実際、借金まみれだった岡崎が入社できるのもこうした方針によるものだ。
言霊の世界では人材とは人財と読むことができるという。
企業として人材を探し雇い入れることは重要な要素なのである。