○月 ▼日  No202 根回しの大切さ


霊能局との定例会。 この定例会が始まった理由は今から30年ほど遡る。
うちの会社になにも断りもなく、幽霊の移民計画が実行に移されたことがあった。
当時、冥界では大戦の影響もあり人口密度が急激に増加しており暫定的とはいえ
周囲への根回しのないまま計画がなし崩し的に実行に移されてしまったらしい。
移民によりうまい具合に冥界の人口密度を減らすことに成功したようだが、
そのせいで都市の再開発に支障が生じてしまった。
この事態を受けて事情を知らない霊能局が幽霊たちの駆除に乗り出し
うちの会社に苦情が舞い込んできたという。 ボスはかんかんになって隙間妖怪のところへ
苦情を申し入れて現在に至っている。


定例会では幻想郷の情勢をはじめ博麗大結界の状況説明がなされる。
霊能局からは依然沈黙を守る月の都の報告がなされ、
当社からは昨年幻想郷で発生した異変の事例報告がなされた。
また今期に行われる結界再生成の混乱対策の打ち合わせも始まっている。
一時的に結界の外に出てしまった妖怪の呼び戻しなどの打ち合わせもなされた。


久々に小兎姫に疑問に思っていることを聞いてみる。
霊能局に陰陽師は存在するのか?
「知らないのはあなただけよ」と言われてしまった。
ただ、最近の陰陽師のイメージが変態的になっている件については迷惑しているという。