▼月 ○日  No206 風見幽香の奇行


以前注文のあった化学肥料を風見氏に届けにいく。 
笑顔を絶やさないその姿は、確実に危険な香りがする。
そんな風見氏が、なにやら花に向かって弾幕を放っている。 
たちまち花が切り取られ地面には花びらが舞い散っていた。
とうとう意味消失前の異常行動が起こったのかと思ったが事情を聞いてみた。


花は自分が咲くことができると判断すると見境なく咲いてしまう。
制御不能になった花は傍から見れば美しいが、同時に栄養の配分のバランスが崩れたり
肝心のタネに栄養が行き渡らずに次世代に子孫を託せないときもある。
また、こうしたストレスを花に与えることで植物は自衛するために工夫をしだす。
化学肥料は植物にストレスを与えるための触媒だったのだ。
それは結果的に風見氏の力をさらに増す結果へとつながるのだ。


幻想郷という安住の地にありながら尚も彼女は努力を怠っていなかったのだ。
私を風見氏を素直に尊敬したい気分になった。