○月 ×日  No308 河童の光学迷彩


八雲商事製光学迷彩 
光学妖精が姿を消す挙動を再現した現代科学の結晶である。
兵器産業をはじめ多くの場所で売れると目されていた。
しかし、あまり売れなかった。
理由は簡単 誤射が増えたからである。第一次世界大戦の兵器研究再びというわけだ。 
当初はSATなどへの納入も決まっていたが実戦訓練でキャンセルされてしまった。 
現在は狙撃専門の冴月が愛用する程度に留まっている。
そんなお蔵入り寸前の光学迷彩を河童たちが買いたいと言うので納品したのだが
水がかかると、火花を散らして迷彩が役に立たなくなった。
河童たちはがっかりした表情になり、私は平謝りした。 技術部は先にチェックしろよ。


しかしここからが河童の河童たる所以である。 
ならば我々で改良しようと行動を開始した。
かくて今日完成した水に強い迷彩のお披露目である。
朝倉や岡崎もやってきてさながらお祭り気分である。


水の中で河城河童を発見 その後朝倉を除き全員絶句
朝倉だけただ一人「勝った」とぼやいている。
そこにはあられもない河城河童の姿であった。 
魂魄が横で「ありがたやーありがたやー」と手を合わせていた。
隣にいた岡崎が私の後頭部を殴ったらしく私の視界は暗転した。
後で聞いたらボスが無言でバスローブを投げてやるまで
みんな河童に何も出来なかったらしい。
私が目を覚ましたときには、傍らに頭から血を流して倒れている魂魄の姿があった。
血痕がついたパイプ椅子が転がっていた。


結局水に浸っても壊れなくなったものの迷彩性能が低下するバグは
そのまま続くことになったのだが
まさかあのまま博麗の巫女とやりあうのだろうか。