○月 ×日  No329 転売屋は害悪ね 同じ暗号使っても無駄


米帝で妖怪関連を扱うMIBなる組織があるのだが、そこのおっさんが
ブレザー兎からサインをもらってくれとせがんできた。 
前髪前線が少し後退気味でサングラスをかけてなかったら威厳はゼロに近いだろう。
朝倉にそのことを話したら、色紙を取り上げ「優曇華参上」と殴り書きをして
こいつを渡せと言う。
そうとは知らず、サイン色紙を手に取ったおっさんは「家宝にするよブラザー」と
言って帰ったが次の日、ブレザー兎のサイン色紙がオークションに出され、
法外な価格がついているのを見て絶句した。


さて、最近月と幻想郷間の通信量が増えているらしい。 
朝倉は「あいつらバカだから暗号キーがあれば大丈夫だと
おもっている」と言って笑っていた。
いくら高性能の暗号を使っていても何十年も前から同じ暗号鍵を
使っていれば容易に破られるのだが、彼らは時間の感覚があまりに
ゆったりしていてそのことに気づいていない。 
人間の暗号解読技術は果てしなく向上して月の暗号は事実上筒抜けである。
最近は、白血病研究のボランティアと称してハードを無償提供してくれる
一般市民もいてくれて暗号解読にかかる時間は半日もかからない。 
 

月の実態が分かるに従って、地上の支配者たちや妖怪資本は、干渉しないほうが
良いという結論に達している。
従ってうちの会社も月に関しては不干渉を貫くことに決まっている。
ボスは「やっていることは地上とぜんぜん変わらない」と言ってニヤニヤしている。
永遠亭の連中が何をしでかすか見学というわけだ。  なんだかなあ。