○月 ×日  No334 混怪と書いてコミケと読め


朝倉に連れられて始発の電車に揺られ見本市会場へ。 
妖怪が跋扈跋扈しているという現場へ連れて行ってもらうも
そこには妖怪は居なかった。 
いるのは私とは住んでいる世界が違う人たちばかり。 
朝倉は「物の怪が混むところ すなわちコミケなのよ」と力説していた。
帰りたい衝動に駆られるが直属の上司には逆らえない。


あなたはここに並びなさいと、お金を渡されて待つこと30分
売っているのはホモ漫画ばかりだった。 思わず引いた。
指定された本を購入する。 
売り子の女の子はそれなりに可愛いかったが、そういう趣味はないと
今すぐここで大声で叫びたくなる。


朝倉に抗議した。 ホモ漫画を買わせないでくれと言ったら、
物凄く怖い顔をされて「ボーイズラブと言いなさい」といわれた
その後ボーイズラブに関する概念を延々と聞かされる羽目になったが、
いつの間にか人だかりができて周囲から拍手された。
どうやら朝倉はこの界隈で有名人らしい。


確かにここは物の怪の住む場所である。
報告書には多数の妖怪が確認されたと書いておいた。