△月 □日  No491  幻想郷で甘味をいただいてみよう


この時期になると私個人的に楽しみにしていることがある。
それは干し柿作り。 幻想郷では甘味を手に入れるのが難しいわけだが、
そんな幻想郷で素朴な甘みを楽しんでしまおうと言う企画である。


この日用意したのは数十個のの渋柿。前回の休みの時に収穫して
今はぶよぶよの状態である。ぶよぶよの状態で干さないと堅い干し柿になってしまうのだ。
薬屋で調達した消毒用アルコールでナイフを消毒したらただひたすら皮を剥く。
アホな妖精が渋柿を口に運んで悶絶しているがそんなものは無視して
次の行程にと入る。


乾燥するために紐を通してつるすのだがここで一個行程を追加。
硫黄を使って燻製にするのである。 幻想郷の農村で教えて貰ったテクニックだが
これをやると黒ずんだり食べて食あたりが起きにくくなるという。
朝倉に言わせると、燻製のプロセスで発生する亜硫酸ガスが、柿の水分と
結びつくのだとか。 柿をぶよぶよになるまで熟させるのもこのためである。
このとき硫黄の量を間違えるとどえらいまずいものができる。


干すときは陰日でじっくりと干すのがポイント
直射日光に当てるとあっという間に日焼けを起こしてしまうのだ。
干し柿が軒先につるされているのは日焼け対策というわけだ。


出来上がった干し柿はお裾分けしつつ美味しくいただく。
紅魔館の連中はこれをブランデーに漬けてケーキに挟んで食べていた。
こういう食べ方もあるのかと感心する。


ついでに干し芋も作ってみた。 秋姉妹からいただいた芋を加工してみたのだが
どうもうちの実家からきている干し芋と一緒にならない。
後で調べたら、干すだけで一ヶ月かかるらしい。 さすがに数個の芋のために
そこまで時間を掛けるわけもいかず断念する。 


できたものを同僚に自慢したら、実家から芋が来ているのに干し芋を作るのかと
言われてしまった。岡崎が、「あなたなら幻想郷で生活できる」と笑っている。
こういうものは普段味わえないから楽しいのであって
生活の一部になったらたまらないのだがわかっているのだろうか。
さすがの私とて幻想郷に永住なんてしたくない。