弾幕ごっこにはトランスミュージックが不可欠である。
スペルカード戦の時は結界を一種のスピーカーにして音楽を奏でるのが通例となっている。
妖怪毎に様々な旋律があり、聞く者を楽しませてくれる。
特に弾幕ごっこを傍から見る者にとってはこれらの音楽がお囃子に見えるのだから
不思議なものだ。
私はこれまでこれら音楽は雰囲気を出すためと思っていた。
しかし実際は違っていたようだ。
ボスから話を聞かせてもらったが、実はスペルカードルールが採用される前から
音楽による結界が形成されていたという。
重要なことはトランスミュージックであると言うことだ。
基本的に一定リズムを刻んだ音楽が鳴っており精神集中に有効である。
このシステムは読経で採用されている。
一定リズムを奏でることで、肉体のない存在にも直接作用することができるのだ。
人間は古来より文化を超えて一定リズムによる幻想の世界への作用を試みてきた。
それを利用しない手は無かったわけだ。
音楽を奏でることで術を使ったときの暴発や事故を防ぐ狙いもある。
弾幕生成時には専用砲台を生成しないといけないのだがその同期をとるのにも
音楽を利用している。 同期がとれないと砲台がきちんと生成されず
満足に発射すら出来なくなるのである。
また余計な呪術でスペルカードが機能不全に陥るのを防ぐ目的もある。
大音量の音楽で、スペルカードが呪術でハッキングされるのを防ぐのだ。
呪術は概ね言霊を介するため、言霊の進入を音量で打ち消してしまうのである。
弾幕ごっこの音楽もまた毎回マイナーチェンジが施されている。
状況に応じた戦闘に対抗するためとも言われている。
ある程度の柔軟性を持たせることで、ありとあらゆる戦局にも対応できるというわけだ。
私にも専用の音楽あるのか
朝倉に聞いたらろくにカード戦ができないのに専用音楽はいらないという。
「ソ」「ファ」「ミ」「レ」しかない音楽からはやく脱却したいものだと思う。