□月 ●日  No794 幻想王コレジャナイカイザー


幻想郷もそろそろ冬支度である。 地下から吹き上げる熱気を地上に送れば春になりそうなものだが
物事は単純ではないようだ。
そんな折、岡崎が開発したサッカー専用ロボ「コレジャナイロボ」を改良した新型ロボの予算が下りたという
連絡をもらった。 そんな金があったら自分の給料に還元して欲しいと思うのは自分だけだろうか。


ロボのデザインを見て色々噴いた。
ドリルは左右にふたつ、胸にライオンのエムブレム。 だれがみてもスーパーロボットにしか見えない。
設計図を書いたのは河城河童だった。 本当に作るのかこれ。
もちろん意味はある。ヴィヴィットを開発したエーリッヒ博士が次世代ロボットを開発しているのだという。
有人タイプと言われており、対抗する必要があったのだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、サッカーの時につくられたあの火星将軍ロボ、正確な名前がコレジャナイロボ
まだ火星将軍ロボの方がマシじゃないかと思う。


かくして開発スタート。 電力不足のため、滝にタービンを置いて電力を補っているが
いかんせん出力不足、せめて竜宮の使いがいてくれればいいのにと思う。
地下にあるあのエネルギーを使えばいいという意見も飛び出したが全力で止めた。
河城河童は不満顔だがしかたない。


さて岡崎と北白河、そして河城河童。 特に北白河と河城河童の身長が似ているだけに
格闘ゲームの色違いにしか見えない。 最近北白河が太った証でもあるのだがこれ以上は言わない。
机の中にクッキーとかをいれてボリボリ食べているからだと思う。
昼食はヘルシーな食べ物を食べているのに台無しだ。


ロボの外観は割と早く完成した。
前回のノウハウが正しく生かされている。さすがは岡崎と言った具合。
もちろんエーリッヒ博士のロボットとほぼ同等のコストらしい。
ヴィヴィットの設計図も動員された最高傑作に仕上がりそうだ。
今度は肩に載せないことにもなった。
岡崎が高いところで気を失うのを防ぐためだ。


しかしどうしてもエネルギー源が足りない。
河城河童は心当たりがあると言って、どこかに連絡を取り合っているようだった。
何となく嫌な予感がする。 
通信装置から聞こえてくる声は霧雨のご息女だったからだ。
とてつもなく嫌な予感がする。


とりあえず今日のところは新コレジャナイロボの勇姿をみて帰宅。
設計図には「コレジャナイカイザー」とかいう名前が書いてあったけど見なかったことにした。