□月 ●日  No795 受け入れ準備


今日は新人のために、香霖堂で社員寮のための設備を準備する日である。
できたばかりの社員寮にうちの会社で支給されている設備を置く。
香霖堂ならちょっと古い冷蔵庫やエアコンも手に入る。 さらに洗濯機も手に入る。
二層式で全自動ですらないのがご愛敬だ。
意外に思われるかも知れないが、テーブルコンロも手に入る。
Si規格でないコンロなら幻想郷でも手に入るらしい。 ガスインフラが必要となるので
実際に使えるかどうかは話が別だ。


浅間たちと合流して、買ってきた物を据え付け。
力仕事は結局私がやる羽目になる。 浅間はテーブルコンロのガス吹き出し口まわりを
金ブラシでこすっていた。 どうやら詰まっているらしい。


テーブルの上に幻想郷生活の手引きを置いておく。
普段の生活からゴミの捨て方まで網羅されている便利本だ。
結構厚いので読むのは大変だ。
これが幻想郷生活ではかなり重要な働きをする。
また弾幕への対処の仕方も載っている。
もっぱら逃げることが生き延びるための近道と書いてある。
全く持ってその通りだと思う。
ほかにも集合ガス管の維持費とか受信料など色々は書かないといけない書類も多い。


顕界に戻ると久々に秘封倶楽部の二人に会う。
全くの偶然なのだが、しょうもないことを駄弁ることに。
とりあえず、卒論を何とか書き上げたらしい。 
進路は決まったのかと聞いたら、うちの会社に内定が決まったとか。 また変な人を入れるうちの会社。
幻想郷と親和性の高い人間を入れることは会社にとってプラスになるとはいえ
あまりに個性的すぎるメンツは胃をおかしくする原因にしかならない。


幻想郷に赴任させたら自称現人神のこともばれるのではないのかと考えたが
考えてみればうちの会社に来たからと言って、幻想郷に携わる仕事なんて限られていることに気づいた。
私みたいに直接幻想郷に触れている人間は十数人しかいないし、戦闘可能なタイプはもっと限られる。
ふたりとも幻想郷に直接関係するような仕事につくとは思えない。
強いて言うなら隙間妖怪や霊能局に対する牽制だろう。
幻想郷はいつも人手不足なのだ。


魂魄が新人が何日もつか賭をしているようだった。 無視する素振りはしたが少し気になる。