□月 ●日  No842 要リハビリ


久々に友人が家に遊びに来たので適当に駄弁る。
殺風景な部屋と言われたが出張が多いから仕方ないと答えておく。
これは多分職業病だと思う。 あそこにいると生活するだけで精一杯でちょっとした飾りを置こうという
発想に至りにくい。 宵越しのものは持たずお金が無くなったら質に流れるのが基本だからだ。


食べるものがないと指摘されて自分の家にお菓子がないことに気づいた。
そもそも幻想郷にいるとお菓子をかじってることがあまりないのだ。
市販のお菓子は口に合わなくなっているので自作。
ザラメ、重曹あたりを利用してカルメ焼きを作ったら不思議がられた。
幻想郷では好評だったのだがこれも感覚のズレか。


夕食も結局家で食べることにした。
文句が出ると思われたが、金は掛らないし美味しいと言われた。
普段通り大根の煮物などを出したのだが、これが大受けした。
専業主夫になれると言われたが個人的にはまっぴら御免だ。
できれば料理の上手なカミさんが欲しい。
訳の分からない薬を混ぜたり、砂糖を大量混入したり、コンビニ弁当を皿に盛りつけ直しただけという
料理もどきは勘弁願いたいのだ。


お酒が入るとつい口を滑らせてしまいがちだが、幻想郷の話をしても友人は話半分で聞いているから
とりあえず問題ない。常識の壁博麗大結界さまさまである。
もちろん直接的な話をするのではなく実際にあった話をキャラを置き換えて
話すわけだが、顕界で起こっていることとあまり変らないので問題にならない。
問題のあるお客というのは顕界も幻想郷もかわらないものだ。
景気の話になるとお互い悪いってことで色々盛り上がる。
もっともうちの会社の場合は雇用調整がない分マシだ。
友人はもし自分が今の会社を辞めたらうちの会社に入れるのかとしきりに尋ねていた。
いっそ真実を教えようかとも思ったがややこしくなるのでやめた。


帰りがけのコンビニで岡崎に会う。
紹介しろと言われたが、きっと色々後悔しそうな気がする。
そもそもお前既婚者だろうが。というツッコミはしてはいけない。
楽しかったけど幻想郷に慣れすぎてしまったことを再認識した日になってしまった。
リハビリせねば。