□月 ●日  No873 社食と味覚


八雲商事社員食堂。我々のお財布の味方である。
基本的に1食飲み物付きがワンコインで済むのでとても助かる。
基本ご飯と味噌汁または麺類に食券でおかずやトッピングを買う仕組みになっている。


この社員食堂 もちろん現地法人にも同様の場所がある。
しかしこの社員食堂、基本的に妖怪を基準にメニューを作っているため
どえらい食べ物ばかりになっているのだ。
所謂ゲテモノと言われる代物である。
考えても見れば妖怪にとって好物となる郷土料理というのはそれなりのものなるのが
自然というものだ。


もちろん例外もある。天狗が食べる食べ物は割と普通に喰える。
カッパはキュウリ味さえ我慢できれば食べられる。
デスマシン妹君が食べているというケーキは何とも言えない代物でこれはきついが
喰えないわけじゃない。
基本的に見た目が悪いから最初に一口食べられるかどうかというのが重要なところである。


私はというと、材料だけを幻想郷で確保して厨房を借りて自分で料理するようにしている。
色々考えたがそれが一番妥当な選択だと思う。
他のメンツはというと、最初から妖怪料理を口に出来る奴は放っておいて
北白河や岡崎は霊能局の現地法人のところにたかっているらしい。


まだ現地の社食を使ったことがないという浅間をからかうため利用してみる。
さすがの彼女もゲテモノ料理の前では引くに違いないと期待してかかったのだが
私の考えはとても甘かったようだ。
出てきた料理には無反応に食べる食べる。
「美味しいよ」と言って渡してきたのでこっちがしどろもどろになった。


勇気を振り絞って食べたら美味かった。
なんてことはない、妖怪も果物やスイーツが好きなように
味覚も人間とそれほど極端には変らなかったようだ。


おかげで妖怪食がマイブームなのだが
どうしても駄目な者がある。
人肉風味とかいう食べ物だ。 さすがにこれはない。