□月 ●日  No962 風祝保護計画


ある者が言った。 風祝はビジネスであると。
その神社には現人神と呼ばれる少女がいる。
現人神と呼ばれるのは、彼女が極めて実効性の高い奇跡をほぼ確実に起こすことができるためだ。 
最初は雨を呼ぶ程度のものだったが徐々に天候を支配するだけの能力へと成長していった。


彼女の能力にいち早く注目したのは農業関係者だ。
最初は雨乞いの儀式への利用が考えられていたが、彼女の雨乞いが周辺の気候に影響を及ぼすのがわかると
彼女の利用計画が裏で練られるようになった。


彼女の能力は気象予報にも影響を与えた。
丁度導入された地球シミュレーターの誤差原因に真っ先に上げられたのが風祝の能力だった。
彼女の一挙一動は地球シミュレーターを混乱させるには十分だったのだろう。
彼女の行動をシミュレーター内に反映させることが急務となった。


当然彼女は常に狙われるようになった。拉致の計画は数知れず、襲撃も何度か試みられたが
その都度関係者が退いてきた。だがそれもそろそろ限界だ。
問題は彼女の精神力だ。 こうも襲撃が続けば神を呼ぶ能力に支障がでるのは明らかだ。


すでにご存じの通り、現人神が祀る神はすでに幻想郷へと旅立つ手はずを整えている。
我々、霊能局としては幻想郷への移動を支持する方向へ調整を進めている。
政治家数名が抵抗を試みているがいずれ沈静化する見込みだ。


君の目的は現人神が住む神社へ侵入、襲撃を試みている兵士を退かせることにある。
現人神を守る為なら発砲もやむを得ない。
ありとあらゆる手段を用いても彼女を守るように。


期待しているよ。 小兎姫。