寅さんとムラサ船長が突然顔を真っ赤にして大師様を止めてと言ってきた。
弾幕ごっこなら博麗の巫女を投入するのが筋だろうが、私に話を振って問題が解決するとは思えない。
事情を聞けば、大師様が妖怪を対象に破廉恥な集いを計画しているという。
大師様に話を聞いたら、大マジな顔で幻想郷に性知識を教えると言う。
彼女が地下に封じられる前から大きな問題となっていたらしい。
まず、妖怪といえど性欲とは無縁ではないことを知らないといけない。
人攫いの中には人間の男と交わる者も決して少なくない。
しかし、人間と交わって生まれるハーフは色々な問題が孕む。
何かしらの能力を得る分には問題ないのだが、長い寿命を得る人間になると
社会的に馴染みにくくなる問題が生まれる。
また、人間の寿命が極端に延びれば食料事情的に大きなマイナスとなる。
幻想郷の食糧問題を考えたとき、性知識の有無が大きな影響を与えると言いたいらしいか
具体的には避妊の方法を教えるという内容だという。
なるほど、傍から見たらただの猥談会だからムラサ船長や寅さんが
勘違いするのは仕方ない。
しかし、外の世界の人口統計学に照らし合わせてもこの考え方は理に適っている。
私もこの考えに基本的に賛成だ。
いつまでも秋姉妹の理力やうちの会社の輸送能力に頼るのはあまりに危険すぎると
考えるからだ。
外の世界では穀物類の価格が急騰しており、いつ何時幻想郷への物資輸送が
滞らないと保証は出来ない。
二人にもその辺の話をきちんとしたら一応は納得してもらえた。
おそらくナズ軍曹の説得もあったのだろうと思う。
しかしとりあえず問題ない旨を大師様に伝えて後、朝倉に報告したら酷い剣幕で怒られた。
朝倉に言わせると、若さを再び得た大師様は男女関係もやりたい放題だったらしい。
それが地下に封じられる遠因になったという。
せいぜい押し倒されないように気をつけろと言われたが、そんなことになったら
周辺の男が黙っていないと思うので、とりあえず放置することにした。
もっとも大師様は重度のブラコンだと言うのでそれほど問題視していない。
押し倒されるなんて夢のまた夢である。