□月 ●日  No1348 住民の反応


幻想郷に新しい仲間が増えたとき、周辺住民はどう反応するのか。
傍から見ると、新しい仲間はそれほど問題なく幻想郷に溶け込んでいるように
見受けられる。
しかし、実際のところ新しい仲間は一癖も二癖もある連中ばかり
当然周辺住民と軋轢を起こすのは目に見えている。


命蓮寺の件で今回の流れを見てみる。
有る場所に寺が建立され、ムラサ船長を始め妖怪達が布教活動を始めた。
最初はおっかなびっくりの周辺住民たちであるがやがて無害だとわかると
彼らは大胆な行動に出始める。


命蓮寺に回覧板が届き始めるのである。
内容は寄り合いへの参加要請。 ほぼ強制参加だ。 
ムラサ船長が困惑しているのがこちらから見てもよく分かる。
妖怪達を守る為の寺でもある命蓮寺。彼女たちにいきなり地域社会への
参加が義務づけられた。 
勿論、彼女たちにとって地域社会への参加は奉仕活動の一環として
当然やるべき責務だと思っている。


ムラサ船長が驚いたのは警戒するそぶりが全く見られない事実であった。
さすがの彼女もこんな台詞を吐いた。
「嬉しいけど違和感がある」
言いたいことは痛いほどよくわかる。
上手くいきすぎて不安になる気持ちはよくわかる。
妖怪は人間にとって恐れられている存在ではないのか 敵ではないのか。


今は違う。妖怪も人間もかなりナチュラルに共存している。
いわば相互依存状態にあると言って良い。
妖怪は人間社会に巧みに溶け込み今や社会システムの一部と化した。
人間は妖怪を敵視する理由はかなり減ったと言えよう。


少なくても妖怪のような人間が増えてしまったとか、
人間の方が酷いとか。
底辺のような人間やら妖怪に散々迷惑を被って慣れてしまったとか
いざとなったらうちから賠償金を取ればいいやと思われているとか
そういうわけでは決してない。 無いはずだと思う。
たぶん。