□月 ●日  No1347 幻想郷の医療費に思う


薬屋の生活が相変わらず苦しいらしい。元々商売っ気が無いのも問題だが
肝心の薬売りがよろしくない。
ブレザー兎が薬を売ってるのだが、顕界でなら通用するような有効成分と
効能表現のせいで余計に売れない。


このままだと破産と言われたので仕方なしに帳簿を見せて貰う。
理由が直ぐに分かった。 値段が高すぎるのだ。
これは原価に対しても粗利を取りすぎだと指摘すると、幻想郷の薬の
平均単価からはじき出したと言われた。


薬の価格が高すぎるのは仕方ない部分は確かにある。
顕界と違い国民皆保険制度なんて気の利いたシステムがないからだ。
皆で医療費を負担するという考えが無い以上、薬の価格が増えるのは
やむなしと言える。


薬屋に会社から補助金をいれて価格を見た目として落とすことは
一応可能である。しかしこのやり方では幻想郷としての
薬産業を破壊しかねない問題を孕んでいる。
ただでさえでも薬屋の薬はかなり効果が高い。
余り安くても問題だと言えるだろう。
結局のところ、5%程度の値下げを行うことで話を付けることになった。


診療報酬の額も問題だ。
やはり貰うものを貰わないと駄目だ。所得が低い人は報酬を減免では
きちんと支払っている人に悪いと思わないといけない。
これについては、最低報酬を設定することで合意した。
ワンコイン程度の価値であるが幻想郷では結構大きなお金と言える。


このように幻想郷の医療は顕界と比較してかなり掛かるのが
一般的だ。 それゆえに一般の人が治療を受けられることが
少ないのが今の幻想郷である。
博麗の巫女に拝んで貰わないと行けないのはそういう事情があるからである。
面倒だし厄介な話である。