□月 ●日  No1500 最強の相手?


幻想郷の妖怪に品々を届ける仕事というのは口で言うのは簡単だが
実際に行うのはとても大変だしリスクを伴う仕事だと思う。


魂魄が風邪を引いたというので私にちょっとした品物を届けるように指示が来たのだが
その相手がなんとあの夢月と幻月と聞いて身の毛がよだつ。
なにしろ彼女達はスペカ使用を拒んでいる数少ない妖怪である。
通常このような妖怪達には大きなペナルティが付くのだが、彼女達は持てる火力で
それらを突破してしまった。 


そんな彼女達でも物資を届ける事に関しては差別してはいけないとボスは言う。
もし我々が支援しなかったら彼女達はいよいよ孤独になって周囲に牙をむくことであろう。
そうなったら双方無事では済まないという。
あの朝倉でさえでも、厳しい闘いになると言っているくらいだ。


二人は月面戦争に参加しなかった。月の名前を冠する彼女達が月面戦争に行くなんて
考えにくいことだったから誰も誘わなかった。
二度目の戦争でどうなったのかは分からないが、彼女を止めたいのならデスマシン妹君と
放蕩妖怪をタッグで向かわせるくらいの火力は少なくても必要になるだろうと思う。


そんな連中のところに物を届けるのは勇気が必要だ。
だが、我々にも強みはある。 それは我々は一人ではないということだ。
一対一なら脅威であるふたりでも多人数による智恵を駆使すれば何とかなる。


八雲商事は博麗大結界そのものであると誰かが言った。
その名の通り人間と妖怪の智恵が混ざり最大限の力を発揮できるように最適化された存在だと思う。
故にこの会社は「八雲」の名を冠しているのだろう。
あの二人ですら博麗大結界は封じているのだと考えればなんとかなるに違いない。



それで結局どうなったかって?
案ずるよりも産むが易しというか、アイスキャンデー一本で買収できるなんて俺は聞いてないぞ。
魂魄の嘘つき。