□月 ●日  No1645 儲かる商売?


傍から見ると禍々しいものを扱っているように見えるが、実際のところ必要に迫られて
やっている仕事という物がある。
死体運び猫にやっていることなんかはその好例だったりする。
死体を運ぶなんて行為をするのはどうなのかと言われると、必要だからやるのよと言われる仕事の筆頭だ。


旧地獄において死体の処理は色々な意味で大きなリスクとなる。可及的速やかに
焼却するか埋めるのが望ましい。
これは感染症の原因になる上、空気の循環速度が遅いため疫病になると妖怪や鬼たちに
大きな影響を与える為である。


そのため、死体を見つけたら即処理場所に集める必要がある。
顕界の場合それは、人間がやる場合もあるがカラスやハエたちがその役目を担う。
しかし、地底では病気を媒介するということでハエも駆除の対象にされてしまう。
そもそも地底の入り口に疾病対策を担当する妖怪が配備されている時点で察した方がいい。
彼女達は必要だから地底にいるのである。


ちなみに彼女から死体を奪おうとすると烈火の如く怒られる。
理由は単純、報酬が大きいからだ。 彼女にとってお小遣い稼ぎとなるこの仕事で
お菓子やら何やらを買っているため、少しでも収入が減るとあらば怒られるのが
当然だったりするわけである。


とまあ、ヤマメ女史の話をまとめてみたのだが、実は死体運びって結構ぼろい商売なのかも知れない。
顕界の場合でも儲かるじゃないのと言われて苦笑せざるを得なかった。