□月 ●日  No869 新年の風景(お年玉編)


徹夜明けで頭が痛い。
幻想郷では除夜から元旦の朝にかけて寝ない風習があるためである。
妖怪たちは元気だがこっちは仕事の疲れと振る舞われた酒が回ってかなり気分が悪い。
日が昇ったら即寝てしまった。もっとも仮眠程度の睡眠であるが。


博麗神社に丸餅を運び込む。
やってきた子供達に与えるためだ。本当に客がやってくるのかと思っていたが
この日ばかりはそこそこ人がやってくる。
安全は大丈夫なのかという疑問があるが博麗の巫女に喧嘩を売ったら大変とばかりに
何人かの妖怪がエスコートのボランティアをしているようである。


この丸餅、顕界におけるお年玉と同じ意味である。
変にお金をあげるよりはご馳走を与えたほうが遙かに喜ばれるようだ。
また、神社には先日までに沢山の玉石を敷き詰めている。
これもお年玉として皆が持ち帰るために必要となるものだ。
これ自体も結構な御利益があるらしい。もっともその保証人は妖怪たちであるのだが。


神社の再建に当って玉石のお代は皆比那名居の娘に請求済みだ。
元はといえば身から出た錆である。 支払って貰う。
額も相当なものだ。 費用を知りたければホームセンターで販売しているものを見ればいい。
博麗神社ともなると面積もかなりのもので、そいつに敷く石を用意したらちょっとした
乗用車くらいは買える価格になる。


新年休みなしの私であるが、同じく新年休みなしといえば河童達である。
インフラ関係の仕事をしている人は休めないものだ。
一緒に待機しながら駄弁るついでに、雑煮を任せたら案の定餅と一緒にキュウリが入っていて
思わず嘆息する。
醤油味の雑煮はまあまあ美味く、胃袋に十分たまった。


今度は自分で作ろうと心に誓った。