□月 ●日  No1120 張り子の寅さん


地下世界の宝物管理人 寅さんといえば、毘沙門天様の弟子のこと。
商売繁盛で御利益があると言うことで、うちの会社でも結構お世話になっているのだが
直接会うのは初めて。
毘沙門天は、国家レベルで縁がある存在と言われており扱いもまるで違う存在だ。
なんでも聖徳太子が絡んでいるそうで、色々面倒な存在である。
初めてお会いした寅さんは礼儀正しくこちらが平伏してしまう存在だった。
決して居丈高にならないがきちんとした風格を備えた存在である。


だが朝倉に言わせたら寅は寅でも実体は張り子の寅だという。
張り子であるが故に大したことはできないというのだがそれ故に、職務に忠実であるという。
典型的なイエスマンであり、職務に忠実であるが故に今ではそれなりに霊力も持っていると言われる。
どちらにせよ私にとっては天の上の人で間違いないが。


この日業務で姐さんとか言う人を復活させるためのアイテムとかを顕界からも運んでくる。
霊能局が何年もかけてせっせと集めていたらしく、膨大な費用も掛かっていたらしい。
宮内庁がバックにいるとかで税金も相当投入されているものと思われる。
それほどの人物と言うことなのだろう。


そのアイテムはコンテナに厳重に包まれていて、霧雨のご息女が奪いに来たら半殺しにしてでも
排除しろと厳命された物騒なものだ。
運ぶのも結構大変だ。 列車を直接乗り入れて、コンテナ毎移動してしまう。
こいつを発掘船に運び入れるそうだ。 なんという面倒なことをするのだろう。
今の列車のスペックを持ってすれば強引に空を飛んで直接運んだ方がマシというものだ。


寅さんの傍らにダウザー鼠の姿を見てお互い驚く。
どうやら我々と同じ目的で活動していたらしい。
私は姐さんとか言う人のことをよく分からないのだが、人間にとっても妖怪にとっても
聖人であると言われた。 
個人的には聖人と言われてもあまり信用できないのだが、きっと自分が荒んでいるに違いない。


ちなみに朝倉に聖人の話を聞いたら、色々問題のある人物だと言われた。
どういう意味かと尋ねるとあまり話したくないと言われてしまった。
まあ色々あったのだろう。 会えばわかるだろうが何かありそうな予感である。