□月 ●日  No1378 食糧支援


上白沢から予算の積み増し依頼が来て検討することになる。
かなり前からの積み増し以来ではあったが今回は少々事情が違う。
氷雪異変の再来と言えた今回の異常気象により一時的に食料が減った結果、
食べ物に不自由して勉学が困難になったというのである。


これは由々しき事態だ。
現状でもお弁当を持ち込めない家庭のために簡単な給食を用意して急場を凌いでいる。
だが、これでは上白沢の貯金を切り崩すようなものなので下支えが必要になった次第。
自称現人神がたまに炊き出しをやるが対応しきれていないし、命蓮寺は檀家の下支えが
優先で距離が離れている上白沢の塾まで手が回っていない。

実際学校のシステムが機能し始めたとき、農村から働き手がいなくなるという
批判は多くあったのは事実である。せめて子供に食べ物を与えなければ
親が子供を学校に連れて行く動機がなくなってしまうだろう。


結局のところお金を渡すのではなく、食べ物を渡す方向で話しを付けることにした。
あのあまり美味しいとは言えない河童ラーメンが投入されることになったらしい。


河童ラーメンにはキュウリの他に肉もふんだんに入っている。
このミスマッチが個人的に苦手なのだが、カロリーが多い食べ物は人気があると言うべきか。
だから非常食に採用されるわけでもある。
河童はキュウリが大好物だが基本肉食であることは知っておいた方が良い。
知能が高いのは肉食によりカロリーに余裕があるからでもある。


ふたを開けてみたら河童ラーメンは子供には大好評だった。
少なくても肉の味が相当あるわけで、彼らにとってはご馳走に見えるのかも知れない。
中には持ち出した雑穀の飯を麵を食べ終わったスープに投下して雑炊にして食べている者もいた、


これでなんとか予算の積み増しは免れたが、ミニ氷雪異変の後遺症は今後も残りそうである。
更なる食料備蓄を切に願う。