□月 ●日  No1377 マインドシーカー


最近幻想郷内で超能力なるものが流行っているらしい。
元から空は飛ぶし弾幕も放つ連中のどの口が超能力などと言うのか知らないが
顕界では直ぐにタネとやらが明かされるのを見て超能力が相対化されているから
かも知れない。


と、言っても実際に流行っているのはスプーン曲げであり本来の超能力の概念から離れた方が良い。 
PKやESP分類の超能力研究は幻想郷内部でも大まじめにやっている連中がいて
彼らを冒涜することになりかねない。
誰とは言わないが大体の傾向をここに示す。


ひとつは力尽くで曲げる連中である。
力自慢の妖怪が多くいる中、基本的にこのパターンが多い。
複雑に曲げることもできる妖怪もいる。もちろんその力こそ超能力ではないかという
ツッコミはしないで欲しい。


時間停止して、曲げたり金属のこぎりで切っている人が約一名いる。
彼女の努力に免じて許してやるべきだと思う。 なぜならスプーンの在庫が
突然二個も三個も減るからである。


物質に内在する波動に作用してスプーンを曲げるある種理想的な曲げ方をしている
妖怪も数名いる。 もっともこの連中はスプーンの曲げ方もすでに体系化されて
いそうなので出来て当たり前ではないかと思われる。


約一名、スプーンの先端を粉砕して曲がったと主張する妖怪がいた。
本当なら言って怒らせたらあの世逝きだったが これは曲がってるとは言えないと
言ってしまって泣かれてしまった。 


魔法使い組は出来て当たり前だそうである。
そりゃそうだと言わざるを得ない。
魔法使いはただ曲げるだけではなく、曲げた物を復元することも求められる。
この復元となるとある程度スプーンの形状を記録する必要があるので
それなりに高度になる。 私の知る魔法使いは一部を除いて大体できるようだ。


やはりMVPはスプーンを冷却して折ってしまうあの妖精だろう。
熱伝導が良いので、本来ならこういう手段は難しいはずだが
曲がっているとは言わないまでも技術的にはかなりハイレベルだと思う。
曲がったというより寧ろ技ありと言わざるを得ない。


スプーンの在庫を補充するかどうか一応聞かれたが
たぶんすぐに飽きると思う。