おい、お前ら今回は特別に飛行機乗りの大敵「雲山」についてこのゲイツが講義してやるから
有難く思え。
雲山は現代においてもなお脅威をもたらす強力な妖怪だ。
こいつにかかれば飛行機の類はひとたまりもない。大半の航空兵器はこいつによって
無力化される。
奴の存在が明るみになったのは意外と最近の話だ。
どこかの国のマヌケな独裁者がミサイルをぶっ放したときがあった。
それを悉く撃墜したのがこの妖怪というわけだ。
某国のTMD構想はほとんどこの雲山によるミサイル防衛計画のダミーと思って間違いない。
ミサイルを撃墜するために撃墜ミサイルを用いるが、
こいつは点の攻撃に対して点で対処するものだ。 命中させるのはとても困難で
それこそミリ単位の制御技術が要求されるんだ。
だがこいつは面で防衛することができる。 ミサイル基地さえ押さえれば
早ければ上昇段階のミサイルを捉えることができるだろう。
雲山の正体は意思を持った低気圧だ。そのサイズは巨大でしばしば制御不能に陥ることもある。
事実、雲山をコントロールしようとする試みはあちこちで行われたが、その結果は
燦燦たるものだ。
制御できる妖怪である雲井一輪を拉致しようとする試みも行われたが、結果は最悪の報復だ。
巨大化すれば町をひとつ壊滅させることもできるのだからな。
こいつの能力は結構語り草になっているからみんな少しは聞いたことがあるだろう。
彼女をモデルにしたアメコミヒーローがいるくらいだからな。
驚くべきことにそこで語られている能力とほぼ同じことができてしまうわけだ。
まあ、もっとも制御できる娘はどこの国とも与しないことで各国の同意が得られているから
一国で私物化されていた東風谷早苗よりははるかにマシだ。
彼女も生まれるタイミングが早かったら戦争に使えていただろうからな。
俺たちは運が良かったってわけだ。
まあ雲山に出くわしたら燃料の続く限り地の果てまで逃げるしかないだろう。
現代の戦闘機なら概ね逃げることくらいならできるはずだ。
近寄らずに周辺地域から脱出を図ることが重要だ。
攻撃さえしなければ最も攻撃すら認識されないことがほとんどだがな。
まったく現代科学の無力さを痛感する洒落にならないUMAもいるってわけだ。