□月 ●日  No1583 正月飾りらしい


正月飾りの準備に追われる日。魔除けの意味がある正月飾りは
その大半が店で買った物でなくフルスクラッチ(専用あつらえもの)である。


普通ならプラスチックであるはずのミカンは本物だし
最近はパックに入っている鏡餅も本物だ。
ここは八雲商事、妖怪相手に商売する以上ある程度は本格的にやらないと
色々な意味で危険なのだ。


そんなことだから正月飾りの位置は性格に決められる。
外に置く場合は軍用GPSを使い、室内に置くときは水平機とレーザー
測定器が必須である。
取り敢えず置いておくのとは全然違う。


実際に普通の社員の振りをした妖怪が正月飾りの前に立ち往生している場面を
見かけることがある。立ち往生した社員は社員証の提示を行い、出来ない場合は
警備員に連れられて何処かへ行ってしまう。


ちなみに八雲商事の警備員は同じく妖怪資本の警備会社であり、顕界でありながら
弾幕戦を可能にしているプロ集団である。
銃や長物を持つ事は出来ないが、スペルカードは銃刀法違反にはならない。
そのまま幻想郷に行ってもそれなりに戦闘できてしまう位の能力はあるようだ。


さて、年末年始でも八雲商事は通常営業だ。
年末年始に出社すると、手当が貰えるとあって独身の人はみなこぞってこの日に
シフトを組んでくる。初詣は幻想郷現地でやった方がカミ様も見えるから
楽で便利だと思っている社員は多数である。


今年は不況の影響かどうかは知らないが、人数が多くなりすぎると言うことで
くじ引きで年末年始出社の人を決めた。 
お店はあまりやってないし、寝ながら正月特番を見るよりは楽というところなのか。


こうして八雲商事の正月準備は着々と進行していくのである。