幻想郷の住民というのはとても難儀な奴らばかりだ。
教育水準も違うし、下手するとしゃべっている言葉がしばしば通じない。
顕界の横文字を使う場合は要注意だ。奴らは情報伝達速度が遅い。
だからこそガセネタでも天狗の新聞に需要があるのだ。
変な言葉をしゃべっていることがわかると、幻想郷住民はとたんによそよそしくなる。
ああ、外の世界から来た人だとわかる。 この問題をわかる人は同じように外の世界からやってきて
首尾よく幻想郷に定住できた人だけだ。 それ以外の人はまるで妖怪を見るような目で我々を見るだろう。
八雲商事の社員でさえ同じ人間としている見ているかどうかあやしいものだ。
もっとも自分はもはや人間やめているのではないかと疑っている。
横文字が通じやすい奴といえば自称現人神とか、糞狸の類だが、
現人神においても横文字のいくつかは忘れてしまっているらしい。
困るのはここはサービスがいいというと周りが怪訝そうな顔をすることだという。
言い換えるために彼女が人知れず努力したことは意外と知られていない。
たしかに彼女の口調はほぼ一年でだいぶかわった。
もっとも基本ルールはまるでかわっていないが横文字使用率は減っているように思える。
もっとも八雲商事社員とかと接触すれば横文字はそのままなので、こちらかみると
あまり差がないのかもしれない。
大師様は現代のしゃべり方を覚えるのに2か月かかった。
実は復活可能スタンバイ状態になっていたのに復活まで時間を要したのは急遽語学書類を
用意しないといけなくなったからだ。
もちろん宝塔をなくしたという要因もあるが、宝塔くらいいざとなったら月面で買えばいいのだ。
先日買いに行ったら「またですか?」と言われた。
ナズ軍曹が肩を震わせていたが。
このように幻想郷でしゃべるというのはまあいろいろ面倒だ。
言語野に直接思念を送ったほうがましと思うやつも結構いたが、
飯が買えないことを知ると、奴らはひたすらことばを覚えていったという。
幻想郷に行きたい場合は週刊幻想郷の語学 第一回はあいさつの言葉 初回は安くなっています。