幻想郷において色々な問題は発生しているといっても最後に残るのはなんといっても食糧問題である。
人口が増えれば、食糧の消費量は増えるし、食糧の生産能力を上げるには農業技術の進歩が必要である。
このプロセスにおいては、幻想郷も顕界もあったもんじゃない。
食うや食わずになった日には幻想の世界も容易に崩壊する。
もちろん八雲商事も食糧輸送は行っている。これは幻想郷で入手困難な素材のみに限られる。
それより重要なものは肥料などの農業資材のほうだ。
さて、ここで一番始末が悪い話をしておこう。豊穣の神と言われる秋姉妹のことだ。
彼女が幻想郷にやってきたプロセスは些か特殊だ。
そもそも、彼女の行動いかんで顕界の食糧事情が一変してしまう。
たとえば、彼女の動き次第では飢饉も起こりうる。彼女たちは全体的バランスを見ながら、人間であっても
生態系の一部とみなしている。必要に応じて人口が減ったほうがよいと考えた場合は、とてもクールに
物事を実行に移す。
しかし、人間は彼女たちに依存して生きていかなないとならなかったから、ただただ、彼女たちを
宥めすかしていくしかなかったのだ。
彼女が幻想郷に行った理由は非常に特殊だ。生態系の研究が進みにつれて、彼女たちが行っていたことを
ある程度のレベルで再現できるようになったのだ。
そうなってくると邪魔になるのは、そうあの二人となる。
ゆえに彼女は幻想郷にいるといえる。
秋姉妹は飢饉になることは不幸であり、不幸をどうにかすることはできないし、過去の生命はみなそうしてきたという。
だが、人間は未来を見ることができるゆえに、彼女が肯定する「不幸」に理由をつけようとした。
それこそが彼女が幻想郷にいる理由である。
ちなみに顕界にも大量の端末がいるらしいのでいないと思って調子に乗ると天罰が下ります。