□月 ●日  No2155 乱入


河童どもがサバイバルゲームをするというので、香霖堂では竹光がたくさん売れているらしい。
竹光というのは時代劇でよく使われる模造刀で、要は竹で作った刀に表面コートだけして刀っぽく見せた代物だ。
結構いろいろなデザインがありというか、かなりインチキくさい代物で、いろいろな刀のデザインを模している。
その中から河童たちはかっこよさそうなもの凄そうなものを選ぶ。 竹光だから問題はない。


ぶっちゃけこれだけなら問題はないが、今回問題となったのは魂魄がメンテナンスのために預けた刀を
間違って竹光として売ってしまったということだ。
もっとも破壊力は低下しているので、それほど問題にならないというか。いわゆる受け刀と言われる代物で
刀として使用するというより鈍器としての意味合いが強いらしい。


別に河童たちには使いこなせないから別に問題ないのではと思うのだが、この手の剣は重量変動システムを
採用しているのだそうで使い手に合わせて質量も変わるのだという。初期の空を飛ぶシステムが入っていると思っていい。
面倒だから取り戻さないといけないようだ。


やりかたはこうだ。別の竹光をつくらせてこいつと交換する。
ところがサバイバルゲームでは常時河童たちは剣を構えている。
つまりは相手を動けなくして行動しないといけないのだが。


だーかーら 朝倉 てめえが河童の姿しているんじゃねえよ。
しかも気体のまなざしでこっち見るんじゃねえよ。


かくして朝倉がサバイバルゲームに乱入することになった。
こちらはプランBを用意させてもらったが。


結局残ったのは頭叩かれて気絶した朝倉の姿と、見事奪還に成功した小兎姫の姿であったことは報告するまでもないかもしれない。
かわいそうに大きなたんこぶをつけて薬屋に運んだら、脳内出血させるつもりかとさんざん怒られたのは間違いない。
河童の皿は思いのほか頑丈でそう簡単に割られないからああいう遊びができると知ったのは後の話。