□月 ●日  No2154 幻想食料不足


幻想郷においてよく聞かれることがある。人口が増えた状態でも幻想郷住民を養えるのかという問題である。
食糧の価格は年々増えるのではないか、輸送量は増加の一途ではないかと皆はそう思うだろう。
しかし、実際にはそうにはならない。これは現代の地球の食糧事情に通じた話でもある。


食糧が不足すると叫ばれてからかなりの期間が経つがそれでも問題とならないのは、食糧の生産技術の向上にある。
これは幻想郷においても変わらない。むしろ農業技術の流入についてはあまり大きな制限を加えていないのが実情だ。
八雲商事ではそういった農学部の学生を入社させる枠があり、幻想郷内部に園芸試験場が存在する。
園芸試験場では各種植物妖怪の支援のもと、品種改良とノウハウ追加が行われる。
幻想郷内部では庄屋経由で、皆に技術を伝え場合によっては生産能力向上の実技指導も行われる。


ただし、この場合気を付けないといけないのが豊作になりすぎればなりすぎたで実勢価格が下がりすぎて
生活を脅かすという問題。実は秋穣子が作物を枯らすのは確かに問題を起こした人への制裁もあるのだが
同時に、食糧価格が下がりすぎないようにしているというのだから恐れ入る。分身を繰り返して
行動を起こすさまはほとんど軍隊である。


さて、皆は疑問に思うかもしれないが実のところ幻想郷の住民って結構植物食の傾向が大きいのだががたいが
しっかりしている人が多い、肉食のほうが手っ取り早くカロリーは得られるが、どうしても資源問題が起こるのだ。
そこで彼らはどうするのか? 実は体がそういう体になっているというだけの話である。
そのかわり幻想郷住民は腸が長いことが知られている。したがって彼らは短足になりがちだ。
決して幼児体型などではない。


そんなわけで幻想郷の住民は隔離状態でも上手くいくように美味い具合に運営されているってわけだ。
地味に大変なのだ。ほんとうに。