□月 ●日  No2312 隔離世界の限界


隠れ里である幻想郷において大問題になるのは食べ物の枯渇であることは間違いない。
かつて水攻めによりとある城下町が完全に外部から遮断された状態になったときは、食糧不足のために
樹の川から果ては人間の死体を食べるところまで至ったという。
もちろん妖怪たちはその辺の状況をつぶさに見ている者も少なくない。食糧不足はすなわちその場所を崩壊に導くものである。


幻想郷の広さをどの辺まで定めるのかというのは大問題であるが、一つ言えることは一か所で食糧を作れば
大豊作と大凶作の振れ幅が広くなるということである。
大豊作ならまだよいのだが大凶作になれば確実に来年の種もみまで食われるという事態が起こりうる。
魔法の森にキノコを採りに行ってそのまま帰還しないなんてことも十分起こりうるだろう。


結局妖怪が住むためには人間の活力が必要であり、妖怪が住むには食糧の枯渇は絶対に避けなくてはいけない
事態であると言える。
しかし、何でもかんでも食糧を送ると今度は幻想郷住民の活力が低下する。ここが問題であり
幻想郷にもっていっていい食糧というのは実のところかなりの制約がある。
たとえばお米の類は緊急用の備蓄米を除いては輸送は不可能だったりする。


実際のところは食糧枯渇の問題だけではないのだが、その辺は常時調整が加わっているというのが
実際のところだと思われる。
ちなみに幻想郷が成立してほどなくして幻想郷内部が凶作になるという事態になっており


そこから妖怪同士の争いが起こっているのだが、実のところ龍神が平定したというよりは
この当時行われた緊急食糧輸送がなし崩し的に恒常化したというのが
八雲商事の実態なのではないのかといえる。それまでは必要なものだけを運ぶという思想だったのだろうが
実情はこんなものなのだろうと思われる。