□月 ●日  No2534 魔法で解決したら苦労はないわ


よく自給自足は素晴らしい。幻想郷は自給自足だから素晴らしいなんていう
困った環境関連の人がおりまして、そしたらなんで自分たちがいるんだよと突っ込みたい
気持ちでいっぱいになるわけですが、もうちょっと掻い摘んで説明しましょう。


幻想郷は隔離世界です。隔離世界には隔離世界の不具合がとても多いです。
例えば、風土病が起こった場合あっという間に感染して致命的な被害を与えます。
よく、西洋妖怪は不潔な輩が多いのですが、徹底的に綺麗好きにされます。
紅魔館はよい例で、そこには蜘蛛の巣一つ張らない徹底的な清潔感が用意されております。
これも風土病が発生しにくい環境を作るのに必要な仕組みです。


農作物の問題もかなり大きいです。
耕地面積を100%利用することができれば幻想郷住民の胃袋を満たすのは比較的
容易でありますが、実際には耕地面積をフルに利用することはできません。
連作は土地に負荷がかかるので、最終的には化学肥料のお世話になります。


この問題の解決にしばしば水害が利用される場合があります。
水害が起こりますと上流地域の土砂が下流地域に覆いかぶさり、結果的に
土地が肥えるのです。秋姉妹は水害発生を容認しているのでこれまた始末が悪いです。
河童たちが豪快すぎる土木を行うのももとは人工的に水害を起こすためと考えると
合理的だから始末に負えません。


また、凶作や飢饉が発生した場合幻想郷は驚くほど脆いというのも理解すべきでしょう。
食糧が無くなると人間の生活圏は半年持ちません。
妖怪たちが生活しやすくなるかと思いきや、人間の死体を妖怪が掃除すると言う
状況になるのだそうです。もちろんこのような事態にならないようにするために
貿易が必要となるわけです。


八雲商事というのはそもそも、幻想郷で起こりうる災害対策システムであり
幻想郷の破たんを回避するにはなくてはならないものなのです。