□月 ●日  No2300 食糧輸入の概念

幻想郷にある博麗大結界を構成する一部品 八雲商事
それは幻想郷に食糧などの物資を輸入させるシステムをもつ組織である。
もちろんこのシステムは一朝一夕で作られたものではない。


八雲商事のモデルはいったいどこにあったのか。
議論は分かれるところであるが、実際に可能であることが立証された出来事ならある。
幕末の時、この国はかつてない大凶作に見舞われた。
コメ不足によるこの国の治安悪化を恐れた欧米列強は隣国より当時の幕府に外米の輸入を認めさせたといわれる。
この食糧の緊急輸入こそが八雲商事出現における重要なポイントであった。


もちろん欧米列強は、この国を市場として見做していたというのもあるが、当時の欧米列強は
妖怪たちの影響下にあったのも見逃せない。彼らにとってみれば、この国の治安悪化は
すなわちここに封じていたというより、厄介払いしていた妖怪たちを放逐することになりかねない。
その結果自分たちの立場を損なわれることを恐れるのは至極当然のことである。
特にこの地では妖怪と化した強力な政治家なども軒を連ねていると着ている。時間の制約がない彼らが
何を起こすのはほぼ自明といえることだった。


八雲商事の原型が生まれたのはこの時をもってほかはない。
食糧の緊急輸入が可能になったことで餓死者は驚くほど減ったのだ。
この事実は幻想郷のデザインで大いに参考になったことは間違いない。
幻想郷が今の姿になったのはそれから30年ほど後のことであるが、それも
緊急食糧輸送のインフラが整ったからだといわれる。


もちろんこの話の中では数々の人々の利害が絡んでおり単純ではないのだが
少なくても結果的にこの話が歴史的ターニングポイントになったことは間違いない事実である。