□月 ●日  No3054 一方その頃


 犬のような名前の探偵が探偵が最近あちこち嗅ぎまわっているという話を聞いた。
 確かジョンって名前だったと思う。 
 魂魄が数度接触したというのだが、戦闘能力面ではさして脅威ではないものの
 自分よりは強いと言われて軽く凍りつく。


 話しによれば付喪神を一人預かっているのだという。
 彼女のコンディションを見れば、今回の異変でばら撒かれた魔力の総量を
 朝倉に依存しないでわかるというので期待したい。


 朝倉を利用した魔力総量計測はこのところあまり信用できなくなっている。
 これは朝倉が悪いのではなく、技術革新によるところで、彼女の実燃費が
 大きく向上した結果、周辺からの魔力を吸収しなくても魔力維持が出来てしまう
 ためなのだという。


 実はこれが顕界と幻想世界の大きな差である。幻想世界では魔力がある程度
 有り余っているので不足分を周辺から補うことができる。
 あの糞長い詠唱や詠唱をパッケージしたスペルカードがあるのは
 そのためだと言われる。


 当面の間は泳がせるという話だが、ここにきて魂魄からある提案がなされた。
 それは現在の朝倉の男性関係を洗おうというものだ。
 返り討ちになるからやめたほうがいいと思うのだが。どうだろう。