■月 ●日  No6191

 魂魄が朝倉からキャンピングカーを譲ってもらったそう。かなり魔改造
 もといかなり豪華なつくりだそうで滅茶苦茶自慢してきた。
 中は意外ときれいと言っちゃあ失礼だが考えてみたら岡崎先生の方がんがんぐ

 魔改造というのはトイレとかの類で文字通りの魔改造である。
 つまり魔力の力で強制的に汚物を分解してしまうという代物が搭載されていた。
 水も再度処理されてトイレを流す水に再利用されるという徹底ぶりだ。
 魂魄はこれにかなりご満悦だった模様。まあ、朝倉とかエレンのマジックショップから
 専用の魔力カードリッジを定期的に補給しないといけないそうなので、
 たぶん騙されているんじゃないかと思ってる。
 
 もっともカートリッジも一年は持つという代物で、しかも太陽光発電による
 アシストはあるが、中で電化製品を維持できるだけの発電も行っているそうだから
 カートリッジ代なんて些細な問題だと思われる。

 朝倉は新しいキャンピングカーを購入してまた魔改造しているらしい。
 本人に言わせれば新しい技術でよりローコストに、魔力カートリッジ交換も
 少なくて済む代物に改良しているって話だからWinWinなんだろうね。
 

 

 

 

           

■月 ●日  No6190

 朝倉に言わせれば戦闘用の魔術よりも、実用的な日用魔法の方がずっと高度な
 魔術になるらしい。実際に都合の良い効果を身近なところに使用するのって
 実はかなり勇気が必要だ。下手すりゃお気に入りの品が壊れてしまう。
 意外とヤバいのが掃除や洗浄を行う魔術で、においを打ち消すだけなら
 比較的容易でも人間の油脂などを洗濯して除去するとなれば、洗剤の方が
 はるかに効果が高いし、お手軽である。

 それでも魔術で代替するのは、月面戦争時の補給が制限された状態で
 戦闘を継続するためだというから恐れ入る。
 特に衣服などもきちんと維持していれば、魔術の補助効果の劣化が
 防げることが多いらしい。

 とにかく、魔術の効果範囲を高度にフィルタリングするのはかなり大変らしく
 実は魔術を使って汚れにくくする方がはるかに楽だというが、それはそれで
 パッシブで魔力消費するので選択できないっていうから敵わない。
 
 結局のところ文明の利器の代替を魔術でやるって意外とハードルが高い。
 文明の利器を無理やり再現するって選択肢もあるけど、それはそれで
 効果のわりに高度過ぎる魔術を使うしかないなんてこともある。
 色々難儀なんだと思ってる。

 

 

 

           

■月 ●日  No6189

 幻想郷には複数の人工衛星が飛んでいる。ものすごい費用が掛かっているが
 最近では月面人の技術が投入されまくっており、コストは驚くほど安い。
 顕界に利用したいのだが、その点については条約があってダメってことになってる。
 それでも知識の流出は防げないから再発見されるのは時間の問題だと思う。

 月面人が人工衛星を飛ばしたいのは、データとして自分を伝送するためだ。
 マダラ神が利用している移動方法を利用していると言ったら聞こえはいいが
 要はそれだけ幻想郷にニーズがあると言える。
 おかげでインバウンド消費が凄いことになってる。
 人気があるのはなぜか顕界のテレビゲームの類で、不自由だから面白いという
 理由で遊ばれている。持ち帰りたいという話もあるが、電力というのは
 月面人にとってはレガシーインフラであり、あまり使われないから
 結局幻想郷で遊んでいるって流れだ。

 目ざとい河童たちはゲームセンターを配置して、顕界の歴史をなぞるように
 機器を置いている。もっとも歴史をなぞっていると言っても、入れ替えは
 かなりゆっくりだ。顕界で半年でリリースされていたら数年は引っ張る。
 マジで引っ張りすぎだと思うんだが、基盤類の劣化を修理するのに
 かなりの手間がかかっているようで、すぐにリリースできないとのこと。
 意外と大変だなと思う一方でたくさんのハックロムもできているので
 いずれはオリジナルゲームが出る日も来るのかと思っている次第です。
 
 

 

 

 

           

■月 ●日  No6188

 幻想郷に輸入するもののなかでは、海藻類があります。
 これは、海藻類の消化酵素の維持のためとも言われております。
 まあ、コストのわりに美味いってことと、顕界で侵略的外来生物化した
 海藻類を処理してくれるところが必要って理由によるものです。

 適当なことを言いましたが、実際の理由の9割は美味いからです。
 昆布とか出汁をとるための海藻類は乾燥で運びやすく、味を調えるっていうんで
 幻想郷でもポピュラーですが、自給できない食料扱いとなっているわけです。

 出汁を取る系では鰹節の類も幻想郷では高級食材扱いで使われています。
 猫まんまなんか幻想郷では食べるのが大変ですね。
 猫まんまを使ったおにぎりを弁当で持ち込んだらすげえって言われて
 びっくりしたって社員もおります。
 少し分けてくれって言われて松茸と交換したって話もあります。

 まあ現代では、そういう食べ方は不可能に近くなったんですがね。
 
 ちなみに自称現人神はうま味調味料使ってます。 

 

 

 

           

■月 ●日  No6187

 朝倉が警察に任意同行を求められたがすぐに釈放された。
 いや、単にお手柄って話です。なんでも人さらいがあったらしく
 路地裏に連れ込まれた女の子を見かけて攫った野郎の顔面目掛けて蹴りを
 見舞ったとのこと。威力ありすぎて相手が吹っ飛ばされたわ
 路地裏の先で、別の男も居たのだがあまりと言えばあまりの展開に
 逃げ出すわでカオス。結局自分で警察呼んで今回の事態とのこと。
 攫われた女の子滅茶苦茶お礼を言ってきたのはいいんだが、
 「お姉さま」って懐かれて本人の中で修羅場。

 なんでも「代わりに自分が行ってやる」って凄んだとかなんとかで
 それが被害者の女の子にはかっこいいって映った模様。
 心の中でたぶん意味が違っているって思うのだがこれ以上言うのは酷。
 あとで仕返しされるのではないかという話になったのだが
 朝倉に限ってそれはないと言いたい。

 魂魄がうんざりしたような表情で、そのグループ潰すのか?
 って尋ねてきて、女の子がさらにカッコいいって目をキラキラさせている。
 色々ダメなやつだこれ。

 さて、この吹っ飛ばされた奴らなんですが、この度、土下座して謝ってきた。
 朝倉の舎弟とは知らず申し訳ないことをしたって謝ってきた。
 朝倉よ、お前今までなにやっていたんだ。
 
 魂魄が、このパターンでチームを壊滅させた挙句、警察も黙らせたらしく
 朝倉は某界隈では影の支配者みたいなポジションらしい。ほんまかいな。


 

           

■月 ●日  No6186

  幻想郷で情報伝達する一番容易な方法と言えば手旗信号だと思う。
 妖怪の視力と飛行能力があってだが、かなり高速であり、弾幕による
 モールス信号に似た信号との組み合わせでだいたいの連絡はそれで済む。
 電子通信も同様で、大容量メディアを物理的に天狗に運ばせた方が
 情報伝達が早いってことがよくあるわけだ。
 
 これらは幻想郷で一時流行った相場によるもので、情報を早く伝えたいからと
 うちの会社にも通信機器の打診があったんだが、山がちだから無線通信は
 効果が薄いし、第一電力確保も難しいとあって、結局昔ながらの
 手傍信号や通信用の魔術などを強化して今に至る。

 まあ現代ではネットワーク系の技術もよくなったので、一応は
 顕界の技術のほうが大容量通信には有利なのだが、やっぱりコスト面を考えると
 魔術による通信のほうがずっと早いってなっている模様。
 我々が顕界の技術を使っているのはもうほとんどフェイルセーフというか
 大容量スペルカード伝送用になってる。つまり、結局幻想郷住民に
 連絡をするのなら手旗信号のほうが早いのだ。

 問題はその費用がいつも自腹なんだよな。いや遅れる方が悪いんだけどさ。



 

           

■月 ●日  No6184

 幻想郷で色々厄介なのが相続でありまして、だいたいは長男が総取りとなっております。
 こうしないと確実に耕地が細かくなってしまうためです。
 長男が鬼籍に入るとその息子か、いない場合は兄弟を呼び寄せることになるでしょう。
 多くの場合、人間の里にいるのは農村の次男坊が多く、妖怪退治の担い手は
 そういう人ばかりになりがちです。

 博麗の巫女の活躍もあり、ほとんど消耗品扱いに近い幻想郷住民も
 死亡率が低下しており、人口増加が無視できない状態になりつつあります。
 そこで幻想郷から顕界に人間を送り込むことは可能かどうかという
 逆出稼ぎも検討されているのですが、幻想郷と顕界の文化ギャップが
 想像以上のレベルに達してしまいうまくいかないのが実情だと思います。

 人口が増えますと森林伐採が増えてしまってはげ山が増える事象があるため
 外部からのエネルギー確保が急務となっています。
 もちろん魔力などの別途エネルギーも利用することで破綻は最小限になっていると
 言えるでしょう。

 このように幻想郷もいろいろと難しいことになっているってことは理解する必要があります。