幻想郷ではたらくひとたち 解説


幻想郷ではたらくひとたち 制作者のいぬいぬです。
今回は幻想郷ではたらくひとたちはどうにか1000回を迎えることができました。
ひとえに、読者の方や数々の応援またはアドバイスが無ければ不可能なことでした。
まずこの場を借りて御礼申し上げます。


当初幻想郷ではたらくひとたちは2ちゃんねるゲームサロン板東方スレッド内のネタ投稿でした。
日記風のコピペネタ程度の認識しかなかったのです。
ただ、ネタ投稿と言っても東方Projectの二次創作をするに当たり、幾つかのルールを決めた上で
一週間くらいのつもりで作るつもりでした。


まず最初に考えたことは東方の世界である幻想郷でどうやって塩を入手しているかということでした。
例えば内陸部の場合は塩湖がありますが、これは海水が地下を通って塩分濃度を高めるためです。
熱帯雨林では木を燃やしたりシロアリを食べたりすることで金属を補給することが知られていますが
霊夢がシロアリを食べるというのはいまいち考えにくいと思われます。
そこで誰かが塩をなどを供給していると考えました。 これがこの話の出発点です。


ところが東方のキャラクターに物流に関するキャラは存在していません。
シューティングゲームのキャラですから当然なのですが、東方のキャラには生活に密着したキャラは
殆ど居ませんでした。 そこでオリジナルのキャラを使うしかないと考えることとしました。
しかしオリジナルキャラは容易にメアリースー化を引き起こし、二次創作の世界では殆ど禁じ手と言える
やり方です。 そこでメアリースー化をどう回避するかが一つの懸案となりました。


当時「俺魔理沙」これは東方プロジェクトの登場人物である霧雨魔理沙が自分を俺と名のった本が
バッシングを受けた出来事や、U-1小説と呼ばれるメアリースーものがバッシングを受けた時期でありました。
二次創作を作るに当ってはこうした内容をきちんと回避しないといけません。
ここで最初に次の点を決めました。


1・既存東方キャラと一定以上の距離を保つこと
2・会話文を徹底的に排除すること
3・幻想郷の一面を解釈する方式をとること
4・キャラ間の特殊関係を可能な限り描写しないこと


チーフはリスク回避の結果生まれたキャラと言えます。
チーフという名前もキャラクターに名前を付けないため手段に過ぎません。
リスク回避の作劇法はセガガガを参考にしています。


上記1を満たすために 主人公が一定の距離を保つ必然性として東方キャラを顧客とする仕組みを考えました。
主人公は東方のキャラに物資を輸送する人であり、あくまでもビジネス上の関係だということです。
これにより、東方キャラと不自然に近くなることがなくなります。
2.は俺魔理沙の案件を回避するための手段として考えました。 東方キャラは基本的に言動が常に
同じではありません。 例えば魔理沙は旧作と呼ばれたPC98版とWINDOWS版では大きく異なります。
このことから、キャラクターに直接会話させる部分を徹底回避する必要がありました。
また、個人的に会話文で構成された小説が苦手というのも大きな要素だったりします。
3.は当時刊行された求聞史記との設定矛盾への回避手段として考えました。
当時私の東方の知識は十分ではなく、(何しろ簾をエアコンと勘違いするほどですから)この仕組みを採用するのは
リスク回避としてどうしても必要なことでした。
4.は現在に続くカップル論争の回避が目的です。 もちろんある程度の二次ネタはそのまま採用していますが
それはあくまで主人公の主観とすることでオブラートに包んだ内容にしています。


U-1回避のため、主人公には非モテと最弱の属性を与えました。
最弱であることの必然性を与えるために、設定はリアル路線としました。
後にこのリアル路線がはたらくシリーズを長期連載に押し上げる要因となりました。


朝倉さんは主人公の疑問に答えるキャラとして白羽の矢を立てたキャラです。
当時二次設定がはっきりしているのはWIN版が中心でPC98版は確定したキャラ属性を与えられていませんでした。
ちなみに朝倉さんが今日の姿になったのは、旧作シリーズの絵を描いている白米御殿のにられば氏と
朝倉さんの絵を描いているなげっつの霧華氏の影響です。
また、キャラクター像は自分の職場にいる人間を参考にしています。


幻想郷ではたらくひとたちの作劇手法は先ずテーマを決めてオチを先に書いた後に
必要な前文を書くという手法で書かれています。 これで書くととりあえず纏まります。
誤字が多いのは仕事帰りで大抵グロッキー状態だったり眠い目をこすって書いている為だったり
テレビをモニターの代わりに使っているため、やたら遠いところから文字を見る羽目になるためです。
誤字は拍手などで指摘されたものについては直しています。 本当に助かります。
最近は、一度寝てから再び起きて書いてからまた寝るという状況になってます。
誰が見ても不健康です。
ちなみにネタが出ないときはチャットをしながらネタが下りるのを待ったりどうでもいい会話から着想を
得たりもします。 付き合って貰っている方には申し訳なく思っています。


と、このように幻想郷ではたらくひとたちは多くの人のご助力によって成り立っています。
これからも可能な限り続けていきますのでご支援の程よろしくお願いいたします。