■月 ●日 No 090 たまにはほのぼのする話でも


幻想郷で生活するのに必要なもの。
それは調味料である。塩や砂糖など幻想郷では製造が困難な調味料が多く
従って食べるものは現代人が食すものより味がないことが多い。
香霖堂にソースが置いてあったことがあった。賞味期限切れである。
彼がなにげなしに焼き魚にソースをかけようとしたので強引に奪い取り廃棄したことがあった。
これは毒だと言ったら、自分の能力に間違いはないと言われてちょっとした喧嘩になったこともある。
外の世界からもいくつか調味料が送られてくるが、塩や酢などといった基本的なものが殆どで
化学調味料の類なんかは有り得ない。 


普段、懐に忍ばせてある調味料だが、そんな調味料一式が盗まれてしまった。
多少味がないのは我慢できるが、やっぱり口寂しいものである。
だが、お米の味を再認識することができた。 これは外の世界では味わえない贅沢であろう。


後日妖精から不思議な注文をもらった。 あまいもの とか すっぱいもの や くしゃみがでるもの
と書かれていた。 そのあまりに素朴すぎる注文内容に思わず調味料を盗んだ犯人だという事実は
どうでもいいように感じてしまった。
たまにはこんな日があってもよい。