□月 ○日  No521 帰省しました


一日遅れで帰省、帰省ラッシュで渋滞する車を横目にすいすい走る。
新年のご挨拶を済ませて適当に色々食べる。


最近、肉親から信心深くなったと言われるようになった。
昔に比べれば住職さんの言葉に耳を傾けるようになったし
なにより身銭を削って寄付することも増えた。
私はこれまでその手のことについては散々馬鹿にした態度をとっていたから
この豹変ぶりは両親にとっても驚きを隠せないらしい。


幻想郷で仕事をしていれば八百万のカミ様ともお付き合いすることが増えてしまう。
うちの実家は某お寺の檀家さんなのだが、どうもそこにいるカミ様に
面が割れてしまったようで、納品先の八百万のカミ様から名前と棲んでいる場所を
当てられた挙げ句家族のことまで根掘り葉掘り聞かされてしまった。
どういうわけか知らないが、幻想郷と顕界をまたぐ八百万のカミ様のための情報網があるようだ。
おかげでこっちはとてもやりづらい。
一番困るのは例の神社のおねえさんに色々知られることだ。
何しろ、プライベートの話から下の話まで何もかも筒抜けになっている。
先日はベットの下に隠してあった春画本の在処までばらされた。
ここまで来ると逆セクハラである。
そのせいで自称現人神にいじられる始末である。 どうにかしてぎゃふんと言わせたい。


夜会社に新年の挨拶。 結構人がいて驚く。
岡崎が雑煮を作っていてみんなで食べる。昆布だしがきいていてかなり美味い。
朝倉に挨拶したら、八百万のカミ様の噂は本当かと聞かれてしまった。
彼女にそんなコネなんて無いと思っていたのだが、噂の発信源はどうも例の神社の
おねえさんらしい。
考えてみれば幻想郷にやってきてそうそうスペルカードバトルができたのは
誰かが教えないといけないのだ。 気がついたのが遅かった。
あとで古くからの知り合いと聞いて「類は友を呼ぶ」という格言を思い出した。