□月 ●日  No1083 性懲りもなく


幻想郷にお化け屋敷を造って一儲けしようと考えた妖怪を発見。
境界型妖怪 多々良小傘嬢である。
境界型とは顕界にも幻想郷にも出現できる中途半端に幻想入りした妖怪である。
顕界の技術や知識を伝達することができるため 便利な反面色々危険でもある。


言っちゃ悪いが幻想郷自体が巨大なお化け屋敷だと思うのだが
小傘嬢に言わせれば、もし幻想郷にお化け屋敷が受け入れられないのなら
顕界にお化け屋敷がもっと流行っていいはずだという。
言われてみればたしかにそうかも知れない。


しかし本音を言えばあまり気乗りしない企画である。
なぜなら既に幻想郷では幾多のお化け屋敷が生まれてはすぐに潰れていたからだ。
最大の問題は驚いた妖怪だけでなく人間がとっさにスペルカードを発動してしまう
ことである。 こうなると建物そのものがあっという間に破壊されてしまう。


妖精がお化けの代わりをするのも場合によりけりだと思う。
昨年、地下の妖精たちを中心に顔を緑色っぽく塗ったのが流行ったが
同じ事を考えた妖怪がいることの証拠に他ならない。


結局押し切られる形で会場を貸したら、なぜか出入りしているのは河童ばかりだった。
河城河童に尋ねるとメカトロニクスで動く一種のアミューズメント施設として
作り上げられていた。 たしかにこれなら弾幕で破壊されても被害者は出ない。


しかも実際にオープンしたらかなり大受けした。
式神を駆使したお化け屋敷という触れ込みでとにかく人は来るようである。
ふと幻想郷では常識が通用しないという格言を思い出した。
多分半年くらいで飽きそうな気がする。