□月 ●日  No1084 妖怪達の参政権


うちの会社の休憩室にはやたら沢山の新聞が置いてある。
バリエーションに富んでおり、同じ事件を扱うにしても全く違うことが書いてあったりと
読んでいて面白い。
なにが起ったのかを見るのならネットでも十分だろうが、幻想郷の生活がそれなりに長いと
新聞の活字の方が馴染みがあるようになる。

顕界にいる妖怪も新聞を読んで政治情勢を注視している。
顕界の妖怪は参政権を得ていないがそれなりに政治的な影響力を持つ。
でなければうちの会社も商売も成り立たないわけだ。


ボスの話では参政権と経済活動の自由をバーター取引したという。
妖怪にとって参政権はあまり重要でないからだ。
体制は最高でも数十年単位で変わってしまい、妖怪の寿命からすれば
大した期間ではないからである。


もちろん愚かな為政者が妖怪から財産を奪おうと画策すれば
あっという間に世間から姿を消すことになるらしい。
あまり想像したくないことではある。


と、言っても納税の義務からは逃れられないのが悲しいところ。
妖怪資本と言っても住民税や県民税、法人税は普通に払っている。
世の中はそんなに甘くないと言うことだが、社会サービスを受けるためなら仕方ないの
かも知れない。


人間と妖怪のハーフの場合は子供に参政権が認められている。
しかし被選挙権は基本的に認められていないことになっている。
なっていると書いたのは、養子縁組による二世議員が政治に参加しているケースが
あるからだと言われる。
彼らは妖怪たちの資本をバックに有利に選挙活動をすることが可能である。


ボスはこうした地位は一朝一夕で出来たわけでなく、博麗大結界分離の時から
ロビー活動を繰り返すことで初めて実現できたものだという。
政治活動は地道な活動とカネがあって初めて可能であることは理解したいところだ。