□月 ●日  No2122 意思を伝えること


妖怪たちは自分たちの権利をどのように勝ち取ったのか。
実際問題として幻想郷が仮に分離を行ったとしても疑心暗鬼や土地の占拠という
観点からみれば人間から何かしらのアクションが起こるのが普通というものだろう。
しかし実際にはそんなことにはなっていない。


妖怪たちは自由を勝ち取るためのデモをしたのだろうか。
それはない。祟りと言われた妖怪たちの反抗も今では流行らないことだ。
むしろやったあとの影響を妖怪たちは痛いほど身に染みている。
そんなことは無駄だと知っている。


第一妖怪たちは自然界の事象の象徴であるがゆえに、彼らの意見を一つにまとめるのは
難しい。人間だってそうだ。米帝で戦争をやめさせたというデモも薬の力を借りて
得たものでもある。LSDは幻想郷にも利用できないかと考えられていた時期があった。
自然界と一体化し、人間同士の共感を招くからだ。
しかしそれがひとたびベクトルを変えればとんでもないことになることも判明した。


だから妖怪たちは合法的に、自分たちに有利な方向へと導く手段をとっている。
妖怪たちは弱者である。個体数が少なすぎるから社会性を得るためには人間の
インフラにただ乗りしないとならない。
しかし妖怪は人間以上の力を持つがゆえに、お金稼ぎについてはこと有利に働いた。


そして妖怪たちはロビー活動を覚えた。
政治献金してロビー活動をする方がはるかに有利であることを知っている。
お金を利用してロビー活動することでもっとも効率的に自分たちの意思を反映できる。
デモをすればガス抜きの効果はあるが実効性が薄い場合が多い。
多くの場合は先鋭化過激化して、多くの場合は解決から遠のくことになる。


ボスたちもたまに政治家の先生のパーティに参加するときがある。
こういった活動も彼らを支えるものの一つだ。 
顕界の妖怪たちはなんだかんだいって強かなのである。