□月 ●日  No1082 験を担いてみよう


紅魔館の入り口にメイド長がなぜか目立つように黄色い花瓶を置いている。
何故かと尋ねると風水でここに黄色いものを置くといいと言われた。
西洋妖怪が風水なんてと思うかも知れないが、彼らは合理主義者でもある。
使えると踏んだ者は結構取り入れてくるので油断できない。


妖怪たちはよく験を担ぐ。
謂われが重要な妖怪たちにとって吉兆を呼ぶ謂われを確保するのは
霊的防御を語る上でも重要だ。


たとえば月の都に行くためのロケットに貼られた大量のお札がそうだ。
手を合わせてアーメンと唱えるのもそのうちの一つである。
とにかく、御利益がありそうなものは片っ端から使用するのが幻想郷流だ。
顕界よりもその辺の徹底ぶりはすごい。


自前で衣服を用意できるような魔法使いを除き、謂われをまとった衣服を
こちらで用意しないといけないのもそのためだ。
服の色がすこしでもずれるとそれだけで大問題となる。
たまに大成功例もあるがそれはとてもまれなことだ。


そういえば、あの門番が験を担ところを見たことがない。
彼女が弾幕戦になるとあまり強くないのはそのせいではないかと睨んでいる。
そこで美鈴女史にその辺のところを聞くとこう言われた。


ヴァンパイアの主人に仕えていることが験を担ぐことである。
というわけなのだ。
要するにコウモリは彼女にとって吉兆であるということなのだが


コウモリが吉兆になるところがどこだっけと朝倉に聞くと
あっさり中国と言われた。
やはり、あの門番は中国だった。