□月 ●日  No1243 朝倉さんの愚痴 


失敗した。
今度はいってきたあの二人に今年の即売会へ誘ったら二つ返事で了解したから
今年は楽勝だと思ったのだけど。あの二人。買い専だったじゃない。
まさか、私のところに並んでいたなんて想定外だったわ。 
私が書いた漫画の話をさせたら20分くらい話しっぱなしだったからびっくりしたわ。
私の書いているものもニーズがあるのね。


開始早々、人気の場所に行ってしまって未だに帰ってこない。 
これならチーフの方がマシだったわ。 少なくても彼は買い物にはまるで興味なかったし
数時間並ばせてもOKだったし、しかも今年はクレームだらけだし。
あれは大人の事情なの、歴史的配慮なの。 全く私があれを復活させたと思われていて
正直不快だったわ。


愚痴ばっかり言っても仕方ない。 あの魔法使いが復活したのは霊能局の狸の悲願だったし
誤魔化すのも既に限界だったしね。結構持った方だと思ったわ。正直な話。
久々に会ってみたけど1000年経って少しは丸くなってるかと思ったら、殆ど変わってないのも驚いたわ。
こっちは何年も掛けて準備したのよ。いざとなったらあれを地獄送りにするだけの火力も用意してる。
映姫ちゃんは大迷惑だろうけどね。


と、言っても私は彼女が復活してもたいしたことが出来ないと確信しているのね。
感心したのだけど、うちの会社の連中みんな彼女の本質を直ぐに見抜いてそれなりの対応をしていた。
ヒントは特に言ったつもりはないのだけど、今の人たちってカルトなどの知識もきちんと
持ち合わせているから素晴らしいと思う。
やはり、知識の力って凄い。 彼女に潜んでいる詐術もきちんと見抜いている。
彼女に買収された様子もない。むしろ、買収しようとしているのでどうしますかと尋ねてくる。


クレームを言う妖怪達にはそのことを報告しておいた。
やはり時代は変わっているのだ。彼女の驚異はまさに幻想郷というシステムへの驚異なのだけど
その驚異すら最早幻想入りしたのかもしれない。 
ただし、この辺はもう少し様子を見るべき部分でもある。 今は危険視しているけど
油断すれば取り込まれる可能性がある。


昼過ぎになってあの二人が帰ってきた。 まったく何をやっているんだか。
ふたりに店番は任せて、とりあえず挨拶回りをすることにする。
するとあの二人思った以上に仕事ができるのね。 
聞いたら、売り子したことがあるって話だった。 
そうか、彼女たちもサークル活動していたんだっけか。


打ち上げだけど、ああいいや。石狩鍋美味しかったです。
話したことは思い出したくない。