□月 ●日  No1414 妖精達の追跡調査


妖精の住処の実地調査。
一応、冴月が護衛として付近を飛んでいるが不安は多い。
妖精の悪戯は一歩間違えると命に関わるからである。
妖精達の住処の把握は同時に妖精達の行動範囲推測にとても役に立つ。
極端に行動範囲が広い氷妖精以外なら結構有効である。


幻想郷で大量に住んでいる存在と言えばなんといっても妖精達であろう。
幻想郷のありとあらゆる自然現象に宿る彼女たちは幻想郷でもっともポピュラーな人外で
あると同時にもっとも迷惑極まりない存在でもある。


博麗の巫女が妖怪退治をしようとするたびに興味半分で邪魔をして
やられても再び立ち上がり、また襲いかかってくる。
それはまるで時代劇の斬られ役みたいなものだ。画面外で再び立ち上がり
そして再び斬られるのである。


人は学習能力がないと言うが、そもそも彼女たちに学習能力なんて必要ない。
捨て石のように突撃したってもう一度復活できるなら、細かいことは気にせずに
体当たりをしたり、弾幕を放ったって別に問題はないのだ。


妖精達は理論上、何も与えなくても生きていくことはできる。
とはいえ。何も与えなければすぐに拗ねる。
だから面倒事を避けたい人がすぐに妖精に物をあげる。
結果彼女たちもそれを当てにするのである。


ともあれ、大半の妖精は人間とコミュニケーションを取ることも難しいので
分からなくなったら会話してみれば良いだろう。
三月精みたいな連中なら会話を聞くだけで容易に判別できるはずだ。
そんな三月精は今日は妙に怯えていた。
まあ、上空を餌を探すように冴月が旋回飛行しているのだから当然である。


一応無事に仕事が終わったが、差分を確認すると三月精たちの住処が
博麗神社ととても近い位置になっていた。
私にはわざわざ危険区域に足を踏み入れるようにしか思えないのだが
どうなのだろうか。
勇気と言うより寧ろ蛮勇の域だと思ってならない。