□月 ●日  No1415 幻想郷に住む不定形妖怪


幻想郷内で行動するとき、注意しないといけない存在の中に
インセクター型と呼ばれる不定形または結晶型妖怪がある。
以前も美鈴女史が「ウィルオーウィスプ」と呼ばれるインセクター型を捕獲して
紅魔館のモニュメントに利用していたあれである。


メリーが興味半分で触ろうとしたので全力で止める。
冗談ですから大丈夫と言うが、頼むから軽率な行動だけはやめて欲しい。
今年三度目の中有の道コースは勘弁して欲しい。


インセクター型とは妖怪の中でも人間の形状すら保てず、反応も基本反射のみという
単純な生物をそのまま妖怪にしたような奴である。
そもそも妖怪が人間型でなくてはいけないと考える方が傲慢だ。
ただ、永い期間生きている妖怪が社会生活を送る上で人間の持っているインフラに
フリーライドした方が色々都合がよいに過ぎないのはかつて説明した通りだ。


基本喧嘩さえ売らなければ、反撃されることもないので
何もしないでスルーするのが一番である。
インセクターに襲われた場合 妖精達と違い買収には応じないことから
反射特性を利用した「デコイ」を用いることことが有効である。


同僚の話では餌付けした妖精達を味方に付けてインセクターの
足止めをさせることもできるらしい。
妖精達はインセクターのあしらい方を良く理解している。
光学妖精に頼めばインセクターをあらぬ方向へと導くことさえ出来る。
そういえば、あの三妖精たちは妖精のくせにやたら良い暮らしをしていた気がしたが
成る程インセクター退治を依頼していたらそれなりに物資があって当然だ。


メリーのデコイの使い方を教えておく。 
実は光学妖精のやっていることをそのまま再現した疑似スペルカードの一種である。
弾幕を発射する必要もないのだから疑似で十分だ。
所謂レーザー標準器みたいなものと理解すればよい。


上級者になるとデコイを用いて敵にウィルオーウィスプをけしかけることも出来るようだだが
考えてみると氷妖精でも出来るのだから試してみるのも良いかなと思っている。
事故ればあの世行き確実なのでたぶんやることはないだろう。


ところでメリーよ。目の前でデコイを用いて通りすがりの妖精にウィルオーウィスプを
けしかけるのはやめなさい。