□月 ●日  No1214 紅魔館のモニュメント


紅魔館の門番を捜す。直接名指しでのお届け物があるためなのだが、こういう日に限って
外に出歩いているようだ。 いつもいるところにいないと本当に面倒だ。
メイド長に聞いたら霧の湖にいると聞いたので足を運ぶことに。
霧の湖といえばあまり近寄らない場所である。 まともなクライアントがいないからである。


ほどなくして美鈴女史を発見。 右手に携えているのは何故か虫取り網。
一体何をしているのかと尋ねると、空を浮かんでる球形物体を指さした。
一部では毛玉と呼ばれるその物体は、正式名称ウィルオーウィスプと呼ばれる
歴とした妖精である。 
幻想郷の妖怪や妖精は一般的に人間型が多いことで有名だが、例外もそれなりに存在する。
それがこいつというわけだ。


一般的にこのウィルオーウィスプはちょっとした照明として利用される。
また弾幕を当てると破裂して四散するのでちょっとした空中機雷になる。
なんでも周りが電飾で飾り始めたので大慌てで光で飾ることにしたのだが
どうしていいかわからずウィルオーウィスプで飾ろうということになったらしい。
いざとなったら飛散させて花火みたいに使うのだろう。
破裂した先がガラスだったらどうするつもりなのかはこの際突っ込まない。


たくさん捕獲されたウィルオーウィスプはきらきらと光を放っている。
とりあえずずた袋にいれて、それを紅魔館の庭先で解き放つ。 
しばらくの間そこに浮遊し続けるそうだ。
なるほど確かに綺麗だし、デストロイヤーども避けになるようだ。


夜になるとウィルオーウィスプの光が紅魔館の壁面を照らして美しい。
紅魔館なりの対抗意識と思うと美しくほほえましい。